
「安全ながんばり」と「危険ながんばり」の違いとは?
「自分を犠牲にする」のと「ベストを尽くす」のは違います。心がすりへらないがんばりとは。
◆「安全ながんばり」はポジティブな結果を生む。
心や体に負担がなく、前向きな状態でよい結果を出すことができたら素晴らしいですよね。難しいと思われるかもしれませんが、これは可能です。次の4項目を意識することで、最適ながんばりでポジティブな結果を出すことができます。
【1】心・頭・体が正常に働いている
1.心が安心していて前向きな状態である
2.頭がすっきりしていて判断力が高い
3.体に負担がかかっておらず調子がいい
という状態がベストです。この状態のままがんばれているのであれば、適切にがんばれています。
【2】生活や身なりを整える余裕がある
無理ながんばりをすると、部屋や身なりが乱れていきます。ほうっておくと、生活のバランスが崩れてしまうことも......。以前より部屋が散らかっていたり、外見に気を遣わなくなってきたりしたら、いったん休憩期間を作りましょう。
【3】目標が明確である
モチベーションを維持し、前向きにがんばるために明確な目標を持ちましょう。具体的な数字や時期があると、なおいいです。ただし、いきなり高い目標を設定するのではなく、まずは実現可能な目標を設定することが大切です。
【4】自分の時間がある
オンオフのメリハリはしっかり意識して作りましょう。とても好きなことだからこそがんばりすぎてしまい、燃え尽き症候群に陥ってしまうということもあります。よいアウトプットをするためには、趣味の時間やリラックスの時間を持ち続けましょう。
◆「危険ながんばり」は心と体を壊す元凶
心や体の調子を崩してしまっては元も子もありません。忙しいときはおろそかになりがちな自己管理ですが、そんなときほど、自分が危険な状態に陥っていないか、客観的にチェックすることが大切です。下記の4つは要注意のサインです。
【1】生活のリズムが崩れている
「あとちょっとだけ」と思って、1時間、2時間と追加でがんばってしまうことはありませんか? このような習慣は睡眠不足や体調不良の原因になってしまいます。明日できることは明日に回しましょう。
【2】人と会う機会が減っている
がんばりすぎて時間がなくなってしまい、人と会う機会が減ると、視野が狭まっていきます。そうすると考え方が極端になってしまい、自分を追い込んでしまうことがあります。あえて人と会う機会を作りましょう。
【3】集中力と判断力が落ちている
がんばりすぎると集中力や判断力に支障が出ることがあります。集中できる時間が短くなった、すぐに判断できなくなった、と感じているのであれば要注意。しっかりと休む時間を持ちましょう。
【4】疲労感と倦怠感が続いている
これは疲れが取れていない証拠です。ひどい場合だと、慢性化して、疲労感や倦怠感に気づかないことすらあります。健康を害してしまっては元も子もありません。この場合、強制的にでも休みを取りましょう。
本記事は、PHPスペシャル2019年1月号特集「がんばらなくて、大丈夫」より、一部を抜粋編集したものです。
【著者紹介】
清水あやこ(しみず・あやこ)
株式会社ヒカリラボ代表取締役。気軽で簡単にできる心理ケアをモットーに、オンラインビデオカウンセリングやアプリを開発する。著書に『女子の心は、なぜ、しんどい?』(フォレスト出版)などがある。