
「口ぐせ」で幸せな現実を引き寄せる!
前向きな言葉はポジティブな結果を引き寄せます。言葉と思考の密接な関係とは?
◆脳は「思考」より「言葉」を信じる
うまくいけば「やったぁ!」、うまくいかなかったら「もうやだ!」。このように私たちには、つい言ってしまう口ぐせがあります。意識しなくても勝手に口から出てくる言葉だけでなく、頭の中に浮かぶ言葉も含めると、かなりの数の言葉を私たちは毎日つぶやいています。
そんな言葉は脳に大きな影響を与えています。言霊と言われるように、言葉には命が宿り、私たちの心に不思議な作用を及ぼすと信じられてきましたが、これは、「入力(思い・イメージ)よりも出力(言葉・動作)を信用する」という脳の仕組みのことを言っているのでしょう。
◆「思考」を変えないと「言葉」は変わらない
言葉を発すると、言語中枢のある左脳から脳梁に情報が伝わり、右脳でイメージを生み出します。そして、イメージに沿って右脳から感情脳の扁桃核に情報が伝達され、感情が引き出されます。そこで生じた感情に応じて思考が生み出されるようになっています。
つまり、言葉と思考は密接にかかわっていて、言葉が後ろ向きになると、同調するように思考も後ろ向きになってしまいます。ネガティブな言葉をつい使ってしまう自覚がある方は、思考のクセを見直してみてはいかがでしょうか。
その一つの方法に「肯定的な願望を持つ」というものがあります。
◆理想の自分を具体的に思い描いてみる
「つらいな」「苦しいな」と言葉にすると、途端にやる気がなくなりますが、そんなつぶやきをしてしまう原因は、「願望」がないからかもしれません。
願望とは、「将来の自分への肯定的なイメージ」のこと。「全国大会の大観衆の中でプレーをしている」「全社員の前で表彰されている」など、望む結果が得られて喜んでいる将来の自分をイメージしましょう。
願望を持たずにしていることは、やらなければいけないこと、つまり義務でしかなく、がんばる意味を見失うため、自ずと言葉も後ろ向きになります。
一方、願望を持つと、やらなければいけないことも楽しめるようになり、つらくても前向きな言葉で自分を励ませるようになります。「願望なくして辛抱なし」なのです。
◆願望を紙に書き出す
願望を実現している理想の自分を思い描くときには、頭の中でイメージするだけでなく、日記にして文章に書いてみると有効です。
ここで重要なことは、文章だけでなく、実現した状態の絵を描くか、イメージできる写真を貼ることです。絵や写真を使うと、脳にイメージが定着され、見るだけでワクワクするようになります。
そして、前向きな思考が頭の中をめぐるようになると、おのずと口ぐせもポジティブなものに変化していきます。
本記事は、PHPスペシャル2019年2月号特集「いい『口ぐせ』が幸せを呼ぶ」より、一部を抜粋編集したものです。
【著者紹介】
飯山晄朗(いいやま・じろう)
1969年、富山県生まれ。人財教育家、メンタルコーチ。企業経営者や経営幹部、チーム指導者へのリーダーシップ教育や、アスリートへのメンタルサポートを行なう。著書に『自分の中の「どうせ」「でも」「だって」に負けない33の方法』(実務教育出版)などがある。