旦那さんの転勤で都心部から地方へと引っ越した鈴木さん。あまりの環境の違いと、知り合いのいない不安から体調を崩していたときに、あるお母さんから声をかけられて......。

 

女性

 

一生の友だち~負けそうな私を立ち直らせてくれたできごと

 

長男が6歳、次男が8カ月のとき、夫の転勤で一度も訪れたことのない地方へ引っ越しました。幼稚園から一緒だった数多くの友だちと別れ、自分や夫の実家も近かったのですが、かなり遠くになってしまいました。いつかは転勤がある、と覚悟はしていたので、始めは「行くからには楽しもう!」と不安な気持ちより楽しみな気持ちが勝っていました。

 

ですが、家を探すために初めてその土地に降りたったとき、あまりの静けさに驚きました。私は生まれも育ちも東京の中心部。すぐ近くにはバス停や電車の駅があり、コンビニ、病院、スーパー、飲食店なども多くある環境でした。そのため、日中なのに人があまり歩いていないことに少し寂しさを感じたのです。

 

家は、小学校のすぐ近くに決めました。通学は便利なのですが、家の周りにはコンビニやスーパーはなく、バスも30分に1本、駅までは徒歩30分という、今までとはまったく違う環境。私は免許がなく車を運転できなかったので、ほとんどの場所は自転車で頑張って行く、という生活になりました。

 

ある日、下の子が熱を出し、急いで小児科へ行きました。初めての小児科で、システムがわからずとまどってしまい、さらに先生は少し怖い方で、以前通っていた先生がとても優しい方だったので、前の先生のほうが話しやすかったな......と落ち込んでしまいました。

 

子どもの熱はすぐに下がったのですが、突然「また次、もっと高い熱が出たらどうしよう。両親も遠いし、近くには知り合いもいない。頼れる人がいないのに、私1人で子ども2人を見られるのだろうか......」といった不安が次々とおそってきたのです。

 

次第に、その不安は強くなり、息苦しくなったり、手足がしびれたり、のどがつまるような感じが続きました。すぐに内科を受診しましたが、異常はありませんでした。それでも、体中が痛い気がして、毎週のように整体へ行ったり、脳のMRI、胃カメラ、血液検査などを行ないました。今思えば精神的なものであろうと理解できますが、当時は何か悪いところがあるはずと、病院に通い続けたのです。

 

そんなときスーパーで、「◯◯くんのお母さんですか?」と、1人の女性が声をかけてくれました。それは長男のクラスメイトのお母さんでした。さらに「みんな◯◯くんのこと、もっと知りたがっているよ。クラスの男の子ママのライングループに入らない?」と誘ってくれました。

 

私は嬉しくて、すぐに「入ります!」と返事をし、その日の夜、グループラインで自己紹介をしました。すると、「待ってたよー!」「今度遊びましょう!」「仲良くしてね!」とみんなが次々と返事をしてくれました。1人のママが「明日うちでランチしない?」と声をかけてくれ、ランチの約束までできたのです。

 

翌日、緊張しながら家に行くと、3人のママが待っていてくれました。みんなとても話しやすくて、小学校のこと、クラスメイトのこと、先生のこと、たくさん教えてくれ、私は久しぶりにこんなに話したなと思いました。帰り道、いつも痛いなと感じていた体が、なぜか軽く感じられました。

 

その後も小学校の行事があれば顔を合わせ、話をすることができました。冬にはママだけで忘年会もして、気づけば3時間の予定が6時間に。それは本当に楽しい夜でした。年齢も経歴もバラバラなのに、みんなまるで高校生に戻ったような、そんな感じがしました。

 

今でも定期的に集まり、みんなに子どもの相談をすれば、「うちもだよ!」「わかるなー」「みんな一緒!!」と励ましてくれます。その言葉に何度も助けられました。

 

体調はずいぶんよくなりました。転勤があれば、また引っ越しですが、彼女たちとはいつまでもつながっていたい、一生のお友だちです。

 

鈴木美久 (新潟県・36歳・主婦)

 


 

「PHPのびのび子育て」 2月号より

 

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2019年2月号特集【3・7・10歳で変わる! 心が荒れる子・おだやかで強い子】より、一部を抜粋編集したものです。