イライラしていつも上の子どもにあたってしまい、後悔してばかりいた、上村さん。 でもある日、娘さんが言ってくれたひと言に気持ちが救われて――。

 

親子

 

知ってるよ~私を励ましてくれた家族の「ひと言」  

 

私は自分で言うのもなんですが、普段はわりと穏やかなのに、自分の思い通りにならないことがあるとすぐに感情が高ぶり、イライラしてしまう性格です。

 

そんな私が、どんなときも温厚な夫(いまだにケンカをしたことがありません)と出会い、結婚し、2人の娘の母となりました。けれど、やはり私の性格では子育てもイライラ続き。特に上の娘に対しては、いつもつい怖い顔で怒ってしまうのです。

 

とは言え、自分の子どもは本当にかわいい。スマートフォンで写真を大量に撮っては、見返してニヤニヤ。少しずつできることが増えるとすごく嬉しく、保育園で友だちに仲間に入れてもらえなかったと聞けば、胸が張り裂けそうになりました。

 

だからこそ、下の娘が生まれたときには、4歳になった娘に寂しい思いはさせないぞ! と決意していたのですが……。

 

結局は、下の娘が泣くたびに、またついイライラ。上の娘の相手をするのはいつも後回し。上の娘がぐずろうものなら、「ちょっと待ってよ!」と逆切れする始末で、そのたびに自己嫌悪に陥っていました。

 

そんなある日、2人の娘を連れてスーパーへ買い物に行きました。

 

上の娘は大興奮であちこち動き回ります。迷子にならないか、店のものを壊さないかという心配がやがてイライラに。「ちゃんとついてきて」「お店のものをさわらないよ」と注意をすると、拗ねてその場に座り込む娘。

 

なんとか買い物をすませて店を出ると、さっき買ったアニメのキャラクターがついたレトルトカレーを持ちたいと言い出しました。持たせてあげればよかったのですが、まだイライラがおさまらない私は、「おうちに帰ってからにして」と断ってしまったのです。すると、娘の目には、みるみる涙が……。

 

店を出て無言で車を運転し続け、家まで数分のところまで来たとき、ルームミラー越しに後部座席をのぞくと、娘は眠っていました。

 

ああ、またやってしまった……。後悔しかありません。

 

「ごめんね、こっちゃん。ママ、こっちゃんのこと大好きだからね」 私はポツリとつぶやきました。すると、

 

「知ってるよ、ママ。こっちゃんのこと好きなのは」

 

と、娘の声が返ってきたのです。その瞬間、重たくなっていた心がいっきに軽くなり、同時にくすぐったいような恥ずかしいような嬉しさがこみあげてきました。

 

家について車を止めると、一番に娘を抱きしめにいきました。娘も照れくさいような笑顔を浮かべて私を見ていました。

 

親になるというのは、とても大変です。環境的に恵まれているのに、些細なことで腹を立てて子どもを振り回してしまう自分は、ママ失格だなと思ったり、ママが私じゃなかったら、もっとこの子は幸せなはずだ、と考えたりもしました。

 

でも、料理下手な私が作るおべんとうに大喜びしてくれたり、お風呂の鏡にいつも「ママだよ」と笑顔の似顔絵を描いてくれたりする娘を見ると、こんな私でも娘にとってはかけがえのないママなんだと気づかされます。

 

ママとしては、まだまだ未熟な私ですが、子どもたちのためにも、前を向いて生きていこうと思います。

 

こんなママだけど、これからもよろしくね。

 

上村藍子 (大分県・37歳・公務員)

 


 

 

「PHPのびのび子育て」 4月号より

 

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2019年4月号特集【7歳までが勝負!「学力」が伸びる小さな習慣】より、一部を抜粋編集したものです。