成人女性の3~5人に1人にあると言われる子宮筋腫について、きちんと知っておきませんか?

 

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子宮筋腫ってどんな病気? 

 

子宮にできるコブのようなものを子宮筋腫といいます。自覚症状があるほか、婦人科の検査で見つかることもあります。遺伝的な要素があるとも言われていますので、もし身近な親族で子宮筋腫の方がいたら、ご自身も受診されてみることをおすすめします。

 

筋腫の発症の原因ははっきりとわかってはいませんが、月経に関係していると言われます。月経に伴い卵巣から分泌される女性ホルモンの働きで大きくなります。

 

良性腫瘍なので、命にかかわるような悪性のものではなく、筋腫が大きくなってがんになることはほとんどないと言ってよいでしょう。肉腫と呼ばれる悪性腫瘍でないことを確認したうえで、次のような症状がない場合には治療を行なわずに経過を観察することが多いです。患者さんによって異なりますが、年に2~4回くらいの間隔で受診してもらいます。

 

月経が来なくなる閉経後には、筋腫が小さくなり症状が改善すると言われていますが、例外的に大きくなる筋腫もありますので、健康管理も兼ねて定期的な受診をおすすめします。

 

筋腫があっても症状がない方も少なくありません。

しかしながら、次のような症状がある場合は、治療が必要になります。

 

□月経時の出血量が多い(過多月経)

□おりものの量が増える

□月経時や性交時に痛みがある

□月経が10日間以上ダラダラと続く(正常の目安は3~7日間)

□月経時にレバー状の大きい血の塊が出る

□動(どう)悸(き)、息切れ、めまい、倦怠(けんたい)感が起こる(鉄欠乏性貧血)

□頻尿、便秘、腰痛(大きな筋腫による圧迫のため)

□なかなか妊娠しない・流産を繰り返す(不妊・不育)

 

子宮筋腫の検査や治療

 

検査では、まず問診でどのようなときにどのような症状があるかをお聞きします。外診(おなかの上から触れる)や内診(直接指を腟内に入れて状態を調べる)を行なうこともあります。最近では超音波検査(エコー)で、ごく小さな筋腫も発見できるようになっていて、MRIという検査では、良性か悪性かを見分けることが可能です。

 

問診での質問例

・月経周期

・前回の月経開始日

・月経の出血量

・痛みの場所・強さ など

 

症状は薬でやわらげることができます。筋腫の原因と考えられている女性ホルモンを抑える薬(飲み薬※、点鼻薬、注射)によって、筋腫を小さくします。鎮痛剤で月経痛などの痛みの原因となるプロスタグランジンを抑える、鉄剤で貧血を改善するといった方法も。月経困難症の治療に用いられるピルを処方することもあります。

※最近、飲み薬という新しい選択肢が増えました

 

手術の場合は、二つの選択肢があります。一つは「筋腫核出術」で、筋腫だけを取り除く手術です。手術をしても再発する可能性はありますが、子宮を温存できるので、妊娠を希望する方にはこちらを提案しています。もう一つは「子宮摘出術」といって、子宮ごと筋腫を取り除く手術で、根本から治すことができます。

 

不安を一人で抱え込まないよう、心配なことがあれば医師に相談を。スムーズに治療を受けるために、不安や症状などを簡潔に文章にまとめて医師に伝えることも有効です。家族やパートナー、友人など、信頼できる人に話を聞いてもらうのもいいでしょう。ストレスがたまると、痛みにも敏感になりがちです。ためこむ前にできるだけ発散を。

 

体の冷えはあらゆる婦人病につながります。おなかまわりの血行が悪くなると腰痛や月経痛が悪化する可能性があります。体を冷やさないよう心がけてください。ぬるめのお風呂にゆっくりつかるのもおすすめします。リラックスできるので、ストレス解消にも有効です。

 

自分の体の状態をきちんと知っておくためにも、定期的に婦人科での検診をおすすめします。婦人科に行くのはハードルが高いという方も多いかもしれませんが、どんなことでも気軽に相談できるかかりつけのお医者さんを見つけていただけたらと思います。

 


 

PHPスペシャル』4月号より

 

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本記事は、PHPスペシャル2019年4月号「疲れた心と頭をゆるめる、ほぐす」より、一部を抜粋編集したものです。

(取材・文:編集部)

 

[監修]太田郁子(おおた・いくこ)

倉敷平成病院総合美容センター婦人科部長。日本大学大学院生理系発生生殖学修了。日本産科婦人科学会専門医。医学博士。症状とライフステージに合うベストの治療を提案している。

 


 

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