3人の子育てにバタバタと忙しくしていたときにわかった、4人目の妊娠。手放しで喜べなかった玉熊さんの気持ちを変えたのは、息子さんのひと言でした。

 

赤ちゃん

 

赤ちゃん、かわいい~私を励ましてくれた家族の「ひと言」~

 

4人目を出産して1カ月が経ちました。妊娠がわかったときは、長女はしっかり者とはいえ、まだ甘えたい5歳児、長男はやんちゃな3歳児、末っ子の次女は1歳を迎えたばかりでした。復職し、仕事と家事・子育ての両立に、まだ慣れていない時期でもありました。

 

特に息子は初めての男の子で、大事なペンは折るし、クッションをハサミで切るし、男の子ってこうなのかしら、女の子と比べて手がかかって大変、と頭を悩ませている最中でした。そんなときにわかった妊娠だったので、手放しでは喜べず、夫の帰りを待ちました。

 

夫の帰宅は、早くても19時、遅いと21時です。子どもたちはその間、きょうだいゲンカをしたり、味噌汁をこぼしたり、私がてんてこ舞いになってしまうこともしばしばです。

 

その日、帰宅した夫に妊娠したかもしれないと伝えると、私とは反対に嬉しそうな顔をする夫。確かに妊娠は喜ばしいことです。でも私は、4人の子育てや家事と、仕事の両立ができるのかという不安のほうが大きかったのです。

 

次の日、友人と会う予定だったので、その不安を打ち明け、相談しました。友人のアドバイスは、「夫に父親の自覚をもたせるためにも、一緒に産婦人科へ行ってみては」というもの。さっそく次の日、夫の母に子ども3人を預けて、夫と2人で産婦人科へ行きました。

 

結果は、妊娠6週。渡されたエコー写真には、小さな豆粒のような赤ちゃんの姿がありました。私の頭の中を巡るのは、どうしよう、このまま育つとも限らないし......など、マイナスなことばかり。

 

心が整理できないままでしたが、妊婦健診へ行くたびに、少しずつ大きくなっていく胎児のエコー写真をもらってきました。それを見て、嬉しさとともに不安も大きくなる日々。

 

そんな中、夫と些細なことで言い合いになりました。夫に「神経質」と言われ、「あなたが無神経なのよ」とも言い返せず、寝室へ駆け込み、ただ泣いていました。赤ちゃんが産まれると、これからもっと私は神経質になるかもしれない、それなのに、どう生活していけばよいのか、と。

 

そのとき、息子が寝室へ来て言いました。

 

「かーちゃん、赤ちゃん、かわいい〜!」

 

手には豆粒のような赤ちゃんのエコー写真。私に見せようと笑顔で隣にやって来ました。そうか、息子にとって、この豆粒はかわいい赤ちゃんなのね......。振り返ってみると、次女を妊娠したときも、保育園から帰ると「赤ちゃんの写真見る!」と言って、「大きくなってる〜」「かわいい〜」と、誰よりもエコー写真を楽しみにしていました。息子は手がかかるけど、私に必要な言葉をくれる......。そうだ、息子が歓迎してくれるなら、息子のためにも産もう、と決意した瞬間でした。

 

それからは、周囲の祝福の言葉を受け止め、プラスのことを考えるようにしました。落ち込んだときは、ホルモンバランスが崩れているだけ、と言い聞かせて。思えば、マイナスなことばかりが頭の中を巡るときは、自分のことしか考えていませんでした。家事が大変、子育てが大変、と。今は、私の成長のために、私がもっと幸せを感じるために、赤ちゃんがやって来たんだな、と思えます。

 

無事出産をし、1カ月健診を終えた今、子どもたちは妹をかわいがってくれています。泣くと長女はあやしてくれたり、息子と次女はオムツを持って来てくれたり。産んでよかった、と感じるこの日々も、息子の言葉のおかげです。

 

玉熊千尋(青森県・35歳・社会福祉士)

 


 

「PHPのびのび子育て」 6月号より

 

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2019年6月号特集【お母さんが笑うほど、頭のいい子に育つ】より、一部を抜粋編集したものです。