気にしないように我慢するのではなく、うまく受け流す方法を知っていると心が安定します。

 

女性

 

人の目が気になるのは自然なこと

 

私たちは、一人では生きていくことができません。どうしてもほかの人たちと協力しなければならず、他人と共存するために社会生活を送る必要があります。そのため、人間は「社会的動物」だと言われています。

この前提があるので、ほかの人から自分がどのように思われているのか気になるのは、ごく当たり前のことだと言えるでしょう。社会生活を円滑に営むうえでは、自分が周りにどう思われているのかを考えることが、絶対に必要だからです。それに、世の中が「ほかの人にどう見られようが、ちっとも気にならない」という人ばかりになってしまったら、社会は成り立ちません。「ほかの人はどう思うかな?」「自分の行為はこれで正しいのかな?」と一人ひとりがお互いのことを考えて、思いやって生活するからこそ、社会は成り立つのです。

 

過剰に気にするからつらくなる

 

とはいえ、他人の気持ちを推し量ってばかりいたら、精神的に疲れてしまいますよね。人の目を過剰に警戒して、心のサイレンがいつも鳴りっぱなしになっていたら、疲れるのも当然です。

そこで、警戒を解いて心をリラックスさせ、人の目が過度に気にならなくなるアクションをご紹介しましょう。人の目を気にすることは、社会的動物である以上、どうしても避けられません。しかし、それが過剰になりすぎてつらいという人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

「気にしている自分」を実況中継する

 

他人からどう見られているのかを気にしすぎると、私たちはパニックになり、慌ててしまいます。パニックになったら、慌てている自分の様子を実況中継してみると、心が落ち着いてきます。「今、私はどうも気が動転しているようです」「さあ、次に私はどういう言葉を口に出すのが最善なのでしょうか?」「このピンチを、私はどう切り抜けるのかが見どころです」と実況中継をしてみてください。

心理学では、自分に向かって話しかけることを、「内言語」とか「インナースピーチ」と呼びます。このテクニックを使うと、感情的な安定を取り戻せるということがわかっています。

他人に見つめられるとドキドキしてしまう人も、「今、私は慌てて視線を外してしまいました。たぶん緊張しているのでしょう。まったく困ったものですが、どうにもなりません。おっと、手の平にも汗が出てきたようです」などと自分の状態を描写しているうちに、心の動揺がおさまってくるはずです。

今私は何をしてる? どんな言葉を話している? 心と体の状況は? と観察して言葉にしてみてください。

 


 

「PHPスペシャル」10月号より

 

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【著者紹介】

内藤誼人(ないとうよしひと)

心理学者。(有)アンギルド代表。立正大学心理学部客員教授。心理学の知識をベースに、自分の望む人生を手に入れる方法を広く伝える。『世界最先端の研究が教えるすごい心理学』(総合法令出版)、『いちいち感情的にならない本』(王様文庫)など著書多数。