気にしないように我慢するのではなく、うまく受け流す方法を知っていると心が安定します。

 

女性

 

「他人の心は読めない」と心得る

 

私たちは、自分の考えていることなら手に取るようにわかります。ところが、他人の心となると、そういうわけにはいきません。どんなにがんばって他人の心を推し量ろうとしても、おそらく無理でしょう。

ですから、「相手は何を考えているのかな?」といくら考えても、正解が見つかるわけがないのです。それなのに、いつまでも他人の心を読もうとすると、不毛な作業は果てしなく続いてしまいます。当然、心も悲鳴を上げ始めます。

では、どうすればこの不毛な作業を終わりにできるのかというと、一方的に読もうとするのではなく、本人に直接聞けばいいのです。

「この人は私に好意を持ってくれているのかな? それとも嫌っているのかな?」といくら考えても正解はわからないのですから、「○○さんは、どんなことを思ってあのことをしゃべったの?」と本人に直接聞いてしまうのです。そうすれば、相手がどんなことを考えているのかがはっきりわかります。

 

気にしてしまうのを強みにする

 

「ああ、どうして自分はこんなに人の目が気になるんだろう……」と気に病む必要はありませんし、コンプレックスに感じることもありません。人間は、「気にして当然」の生き物だからです。

むしろ、人の目が気になる自分をほめてあげましょう。人の目が気になるからこそ、人は「もっと成長しよう」と思えるのです。

たとえば、社員食堂でランチを食べるとき、人の目が気になる人であれば、「きれいに食べよう」などと意識して、少しでも美しい所作で食べようとしますよね。そうすれば、周りの人から好意的に思われるでしょうから。

逆に、人の目を気にしない人は、食べ方が汚くてもちっとも気にしません。つまり、「人の目が気になるからこそ、私はエレガントでいられるのだ」と、ポジティブに考えればいいのです。

人の目が気になることは決してマイナスではありません。むしろ、それを自分の強みだと考えれば、気持ちもラクになるのではないでしょうか。

 

「パワーポーズ」をとってみる

 

心は、体の姿勢に影響を受けています。背中を丸めてうつむいて歩いていると、気持ちもどんどん落ち込んでいきますし、反対に、胸を張って颯爽と歩くと、なぜか心も快活になっていくものです。

元気が出ないときは、両手を上げて「バンザイ」のような姿勢をとると、心が活性化します。これを心理学では「パワーポーズ」と呼んでいます。会社でミスをしたり、人に迷惑をかけたりして、延々と気に病んでしまうときは、バンザイをしてみてください。「過ぎたことは仕方ない。次からは気をつけよう!」と前向きになれます。

パワーポーズはほかにもあります。手のひらを強く握るのもパワーポーズです。ジャンケンの「グー」のように手を握ると、「負けるものか!」という強い意志が湧いてきます。気落ちしたときに効果的です。また、あごを40度ほど上げるのもパワーポーズです。気持ちが明るくなるので、街を歩くときは、「上を向いて歩こう」と自分に言い聞かせてください。

 


 

「PHPスペシャル」10月号より

 

PScover1910.jpg

 

【著者紹介】

内藤誼人(ないとうよしひと)

心理学者。(有)アンギルド代表。立正大学心理学部客員教授。心理学の知識をベースに、自分の望む人生を手に入れる方法を広く伝える。『世界最先端の研究が教えるすごい心理学』(総合法令出版)、『いちいち感情的にならない本』(王様文庫)など著書多数。