共働きなのに、家事も子育ても妻任せの夫に、苛立ちを積もらせていた藤野さん。でも公園で、 あるお母さんと出会い、大切なことに気がついて......。

 

子どもとお母さん

 

小さな幸せを見つけながら~「幸せ」を感じた瞬間

 

育休から復帰して1年が経ちました。
子どもは運よく希望する年度に保育園に入園することができ、私の復職先も休職前と同じ部署の配属に決まりました。家と職場の距離も1時間ほどで、保育園も家から遠くはないのに、毎日ヘトヘト。
夫の帰りは毎日子どもが寝てからで、寝かしつけなんて一度もやったことがありません。休日、夫は子どもの傍らで横たわって寝ているだけを寝かしつけと勘違いしているみたいです。子どもはまだ元気で遊ぼうとしているのに、それも見て見ぬ振り。
保育園に送っていくのも1年間で夫は10回程度。お迎えはすべて私の仕事。それでも、平日のゴミ出しと、休日は料理をしてくれるから家事を手伝ってくれていると思っていいのかな、と考えてみたり。でも、お休みの日に子どもを夫に預けて出かけたことがありません。もうすぐ子どもは2歳になります。
保育園は基本的に両親どちらかが休みの日には預けることができないので、自分がゆっくり休める日はありません。私と夫の実家はともに遠方なので、両親を頼ることもできないのです。
子どもが熱を出して会社を休むのも、保育園からの呼び出しがかかってお迎えに行くのも必ず私でした。職場では何度も何度も頭を下げました。
子どもといろいろな場所へお出かけもしたいのですが、私1人だと荷物で手がふさがって、子どもがベビーカーに乗ってくれないと両手では足りなくなるので、子どもと2人で過ごすときは決まって近所の公園でした。

 

ある日曜日、その日も夫は仕事で、子どもと2人で公園に出かけました。
すると、保育園で同じクラスのママもお子さんを連れてきていました。他にも子連れのママが1組。子どもは仲良しの保育園のお友だちがいて嬉しかったのか大はしゃぎ。知らないママは、お子さんとシャボン玉をしていて、初対面の私たちの子どものためにもシャボン玉をたくさん作ってくれました。
暖かい陽気の中、きれいなたくさんのシャボン玉と、それにはしゃぐ子どもたち。私はそれを見ていて、とても幸せを感じました。保育園でいいお友だちに出会えてよかったね、そう思い、子どもが楽しそうにしているのが本当に嬉しかったのです。
その日、公園から帰った後、先ほど公園で会った保育園が一緒のママから、携帯電話にメッセージが届きました。
「毎日お互い大変ですね。旦那さんの代わりにはなれないと思うけれど、一緒に遊んだりできる日は、気軽に連絡してくださいね」
いただいた言葉に、胸があたたかくなりました。メッセージをくれたママはきっと、平日、仕事で疲れている旦那さんを休ませるためにお出かけしてきたんだと思います。
私は夫に対して、いろいろなことに不満を抱え、夫ができていないことの数々に苛立っていた自分が小さく感じました。そして、そのママのやさしさに心が救われました。
何をするにも夫と私と子どもがセットでないといけない、そうじゃないと幸せではないと、いつの間にか思っていた気がします。でも、家族以外の人と過ごす中でも幸せは感じられるのだなあと思い、はりつめていた気持ちが和らぎました。

 

家事、子育て、仕事、そして自分の趣味などいろいろなことをバランスよくこなすのはまだ難しいですが、無理をせず、日々小さな幸せを見つけながら過ごしていけたらいいなあと思います。

 

藤野ゆみ子 (神奈川県・30歳・会社員)

 


 

「PHPのびのび子育て」10月号より

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2019年10月号特集【「早く!」「ダメ!」と言わないほうが子どもは伸びる!】より、一部を抜粋編集したものです。