考えなしにムダ遣いをすれば、将来への不安は増すばかり。でも、“しない”ことさえ決めてしまえば、健康的に長生きするのに十分な資金が貯まるのです。

 

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年金で足りない月5~6万は、“家計の見直し”で対処できる!

「老後資金2,000万円」が取りざたされ、「貯金が全然足りない! どうしよう!」と不安になる人が多くいます。事実、2016年の調査では、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯で、年金では賄えない支出分が毎月約5〜6万円あることがわかっています。
しかし、多くの家計を拝見してきた経験から、月5〜6万円の支出は十分にカット可能です。ただし、そのためには、ムダ遣いをやめて家計を見直し、「しない」ことを決める必要があります。
この機会に、今まで考えなしに使ってきたお金や「こうするものだ」と決めつけていた価値観を見直してみましょう。「しない」ことを決めるだけで、家計と生活はスリムにできるはずです。

月5~6万円捻出するために“しない”11 のこと
お金のために「今すぐできる」&「今から考えておきたい」“しない”ポイントにのっとって、家計を見直しましょう。

家計のバランスを把握して、安易な支出を避けましょう!

(1)どんぶり勘定しない
お金を使う範囲を決めずに「どんぶり勘定」をする人がいます。それでは、収入と支出を正しく把握できません。お財布代わりの口座を決めて、金額のプラスマイナスを常に把握しておきましょう。

(2)借金をしない
借金をしないのは家計の基本中の基本です。クレジット払いをする人は、3回以上の分割払いで利子がつくので使いすぎないように。特にリボ払いは利子が高く、借金の総額も把握しにくいので要注意!

1・2、の約束を守るために
・お金を引き出す、クレジット払いにする口座を、ひとつに絞る
・オマケに釣られて、次々とカードや電子マネーに手を出さない
・食費は週単位で把握し、冷蔵庫の中の食品は1週間で使い切る
・趣味に使うお金は上限を決める。できれば収入になる趣味をもつ

払っていたお金が、本当に必要かを考えましょう!

(3)保険をほったらかしにしない
40代は保険見直しの時期。必要以上に死亡保険を大きくかけている人は見直しを。がん保険に入る人も多いのですが、高額療養費制度などでカバーできる部分もあります。

(4)交際費を使いすぎないランチ代や懇親会費など、仕事付き合いではお金が必要なこともあります。しかし、毎回参加していると大きな浪費に。義理の付き合いは整理して、地域や趣味の世界で価値観の合う仲間を見つけていきましょう。

(5)一人で決めない
保険や貯蓄などで将来に備えるさい、夫婦別々に考えるとムダが出ることがあります。パートナーが会社で加入した団体保険や健保組合の保障がないか、二人で確認・共有しながら備えましょう。

生活の変化に、柔軟な対応ができるようにしましょう!

(6)同じ家に住み続けない
今の家がずっと最適とは限りません。子どもが独立したら都市部のマンションに買い替える、売却して高齢者向け住宅に移る、マイホーム借り上げ制度を利用するなどの選択肢を考えておきましょう。

(7)車にこだわらない
子どもが小さかったり、付き合いが多い時期は、大きな車も必要です。しかし、老後の生活では、小型車で十分な場合がほとんど。コスト削減に向け、カーシェアリングやレンタカーも視野に入れましょう。

(8)子どもに大金を使いすぎない
子どもの教育費や思い出の旅行などにお金を使いたい親心はわかります。でも、それも自分たちの生活が安定してこそのこと。過度な出費になっていないか、よく考えて。

毎日の積み重ねと工夫で、安心して長生きしましょう!

(9)仕事をやめない
仕事をすればお金をいただけます。それは誰かの役に立てているということ。老後も社会との関わりはとても大事です。今の仕事をリタイアした後も、今とは違う意識や働き方を考えましょう。

(10)不摂生をしない
人生100年時代といわれますが、重要なのは一人で生活できる健康寿命。食生活を整え、無理のない体づくりを心がけましょう。私は味噌やぬか漬けなど発酵食品を手作りして、健康維持に努めています。

(11)年金を夫婦二人で同時に受け取らない
年金は受給時期を遅らせると、支給額が増えていきます。資産や健康状況に応じて時期をずらせば、柔軟な対応が可能に。受け取る時期は、定年前に考えておきましょう。

年金はいつから受け取る?
受給開始を70歳まで伸ばした場合、年金支給額が42%増えます。すると、81歳から先は、65歳から受け取る年金総額よりも多く受け取れる計算に! 女性の平均寿命は87歳。女性はできるだけ受給を繰り下げるのが得策です!
 


 

「くらしラク~る」 1月号より

 

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本記事は、「くらしラク~る」2020年1月特集【手放して、金持ち体質に! 「捨てる&貯まる」習慣 ムダ家事もぜんぶスッキリ】より、一部を抜粋編集したものです。

【著者紹介】
井戸美枝(いどみえ)
ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。お金に関する資格を複数持つ「お金の専門家」。特に社会保障、年金について詳しく、厚生労働省の社会保険審議会企業年金個人年金部会の委員を務める。著書に『100歳までお金に苦労しない 定年夫婦になる!』(集英社)などがある。