幼稚園に入っても野菜をまったく食べない娘さんに、悩んでいた田中さん。そんなある日、先生から娘さんの頑張りを聞いて……。

 

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泣いちゃったけど、 食べられた~子どもの成長におどろいた話

幼稚園に入園し、娘にとって初めての集団生活が始まりました。今まで家では白米はもりもり食べていましたが、野菜はほとんど食べられず。少しでも野菜がとれるようにと考えて、これなら食べるという料理を必ず1品は入れるなどして、どうにか食べてもらっていました。
園ではもちろん個人に合わせた食事を用意してもらえるわけではないので、娘が食べられないものばかり……。口をキュッと閉じ、「いや!」 の一点ばりで食べるのを拒否し、大泣きしたり逃げ出したりしていました。お迎えのときは先生も渋い表情で、「おうちでも頑張ってもらわないと……」と度々言われました。
今までも、家では私なりに頑張ってはいたのです。食べない料理でも、あきらめず出し続けなさいと母に言われたことから、100%食べないとわかっていても作って出し続けていました。でも、結局手をつけてもらえず、廃棄して食器を洗う手間が増えるだけ、という日々でした。

子育て本を参考に、一緒に食べて「美味しいね!」と言ってみたり、食べられたら「すごいね!」とのせてみたり、いろいろと試してみたのですが、効果はなし。園に入れば、周りの子が食べているのに影響を受けて食べられるようになるという話を聞いていたので、正直、期待していました。
私も私なりにやっているのに……と先生からの言葉が責められているように聞こえ、気持ちが落ち込みました。そして、先生と心の距離を置いて接するようになってしまったのです。落ち込む日々が続き、もういいやと、先生に言われることや、食べないことをあまり気にしないようにして過ごしていました。

そんなある日、先生から「今日は目をつぶり『いやー』と言いながらも、ちょっと食べられたんですよ!」と言われました。先生に「頑張ったね!」と言われて嬉しそうな娘。私も嬉しくて、「本当ですか!?」と、お迎えのときに久しぶりに表情が和らぎました。家に帰ってから家族に報告し、皆で娘をほめました。娘は照れながらも少し自慢げで、嬉しそうな顔をしていました。
その次の日も、「今日、完食です!」と先生がまた報告してくださいました。「食べようという意欲が出てきて、目はギュッと閉じて嫌がりながらも、自分で“あーん”と口に運んで頑張っていましたよ」とのこと。娘も「泣いちゃったけど、食べられた!」と教えてくれました。

初めての集団生活に慣れず「怖い、行きたくない」と毎朝言って、園に嫌々通っていた娘。そんな娘が、園で自ら苦手なものに立ち向かい、乗り越えていました。泣くほど、目を閉じてしまうほど嫌なことなのに、自分で頑張ったんだなと、そのときの姿を想像して胸がじーんとしました。
これからも、自分でどんどん立ち向かっていき、乗り越え、必要な力をつけていくのでしょう。娘のそばにいて彼女の成長を見守れること、彼女を支えられることをありがたく思い、そして幸せに思います。

先生とも、垣根を作らず接することができるようになり、私が勝手にいろいろ悪くとってしまってダメだったなと、反省させられました。
娘の園生活は始まったばかりですが、きっとあっというまに過ぎていくのだと思います。このかけがえのない時期を大切に過ごしたいです。

田中のどか(福井県・36歳・主婦)

 


 

「PHPのびのび子育て」1月号より

 

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2020年1月号特集【お母さんが笑うだけで、かしこく優しい子に!】より、一部を抜粋編集したものです。