「なんでこんなことが起きるんだ!?」とパニックになりそうなとき、冷静さを取り戻すためにはどうしたらいいのでしょう?

 

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原因は自分にある? 人にある?

想定外の出来事が起きたときに最初に考えるべきことは、その出来事の原因が自分にあるのか、それとも自分以外にあるのかです。それをはっきりさせないと、自分では防ぎようもなく、どうしようもなかったことなのに、過度に責任を感じてしまったり、反対に、自分の非をちゃんと認めないことで周りから非難の目を向けられたり、信用を失ったりします。
とは言え、とっさのときは心と体のケアを優先しましょう。まずは下記の二つを頭に入れてから、読み進めてください。

ケア1:ゆっくり吐いて、大きく吸う
激しく動揺すると、心拍数や血圧が上がり、場合によっては発汗や手足のしびれが出て、呼吸が浅くなります。うまく呼吸ができないと余計に不安が大きくなるので、とにかくまずは深呼吸をしましょう。

ケア2:心が落ち着くアクションをする
お守りを握りしめる、好きな香りを嗅ぐ、ペットの写真を見るなど、心が落ち着くアクションを事前に決めておきましょう。「これをすれば落ち着く」という行為が一つでもあると、精神的な支えになります。

自分に原因があるとき

原因を追究し、同じことを再び起こさないための対策を考えることが第一です。ただ、ショックな出来事が起きた直後はどうしても動揺するので、心が落ち着いてから考えはじめたほうが、冷静に振り返ることができます。

対策1:再発防止に努める
お財布を1回落としただけでもショックですが、月に2、3回落とすと、自己嫌悪にさいなまれて、回数を追うごとにダメージが重くなります。一つの失敗に捉われすぎないことも大切ですが、しっかりと原因を分析して、早めに対策を考えましょう。

対策2:人に相談して助けを求める
ミスをすると気まずさから失敗を隠したくなるものですが、他者も巻き込んでいるなら、第三者に打ち明けて解決策を一緒に考えてもらいましょう。失敗を隠そうとして慌てると判断を誤り、状況を悪化させる可能性があります。

自分以外に原因があるとき

自分の身に降りかかった想定外の出来事が、自分ではコントロールできないことが原因で起きたのなら、「私にもできることがあったかもしれない……」と後悔したり、自分を責めたりするのは絶対にNGです。

対策1:安心できる場所に逃げる
「仕方ないことだったんだ」とあきらめて、原因となったものからなるべく距離を取りましょう。起きた出来事に向き合いすぎたり、原因を自分に関連付けたりしてはいけません。一緒にいて安心できる人の元に避難して、時が過ぎるのを待ちましょう。

対策2:「課題の分離」をする
原因が他者にあるなら、「人のことは人のこと。自分のことは自分のこと」と考えて、課題を分離します。「自分にも原因があるかもしれない」と考えるのはやましょう。他者が抱えている問題や悩みは、あなたのコントロールが及ばない範囲にあります。


 


 

「PHPスペシャル」3月号より

 

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本記事は、「PHPスペシャル」2020年3月号特集【振り回されない練習】より、一部を抜粋編集したものです。

 

【著者紹介】
メンタルドクターSidow(メンタルドクターしどう)
精神科医。都内の医科大学を卒業後、診療にあたる。精神科専門医、精神保健指定医を取得。また、YouTuberとして精神医学や心理にまつわるトピックスを、動画にわかりやすくまとめて配信している。