感情を抑え込むことだけが「感情コントロール」ではありません。心をケアする方法は、ほかにもあります。

 

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「感情の小人たち」と対話しよう

 

心には複数の感情が同時に存在しています。私はそれらを、「感情の小人たち」と呼んでいます。感情の小人たちはいろいろなことを訴えていて、そのうち一人でもいいので声を聞いてあげると、小人全体の騒ぎが落ち着きます。

 

小人が何を訴えたいのか耳を傾ける

 

小人の声は次のように聞きます。まず、ストレスの原因を思い浮かべて、体にどんな反応が出るかに注目します。胸がざわざわする、寒気がする、眉間が寄る、喉が渇くなど、いろいろな反応が出ると思います。

次に、そのうち最もはっきりした身体感覚を見極めて、その感覚に名前をつけます。眉間がぎゅっと寄る感覚が最も目立つようなら、「眉間さん」などでいいでしょう。では、その「眉間さん」は何をしようとしているのでしょう。ストレスから守ろうとしてくれている? ストレスの原因と戦おうとしている? それともあなたをストレスの原因から引き離そうとしている? どれが的確でしょう。「ストレスの原因から引き離そうとしている」が最もしっくりくるなら、その「引き離そうとしている感情の小人」は、初めてあなたに「声を聞いてもらえた」と満足します。

 

紙に書き出すと簡単

 

この対話は紙に書き出すとさらにやりやすくなります。小人たちが何を訴えているのか、じっくり静かに耳を澄ませてください。

感情の小人の声がゆっくり聞けないときは、ヨガやピラティス、ウォーキング、岩盤浴などで体をじゅうぶんにゆるめると聞き取りやすくなります。一日の終わりにちょっと余裕があるときは、入浴をしながら小人の声を聞くのもいいでしょう。心の掃除になります。

 

自信を取り戻せることをする

 

「感情の小人たち」と対話もせず、「我慢する」「忘れる」という手段だけで感情を抑え込もうとすると、最初のうちはうまくいっても、だんだんとうまくいかなくなります。すると「感情をコントロールできない自分はダメだ」と自己嫌悪に陥ります。

そこで、自信を取り戻すアクションをすることも、心のケアにつながります。

 

「好きなこと」をすると心は回復する

 

自信を取り戻すには、気分が上がることをしましょう。メイクやおしゃれをする、エクササイズやスポーツをする、音楽を聞く、映画を観る、ゲームをするなど、あなたが好きなことなら何でもいいのです。

自分の経験を題材にして漫画や絵を描いたり、小説やエッセイを書いたり、音楽や映像を制作したりすると、さらに感情が昇華されます。何も作れないという人には川柳がおすすめです。そのときの感情を五七五でピタッと言い表せたら爽快です!

 


 

「PHPスペシャル」4月号より

 

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本記事は、「PHPスペシャル」2020年4月号特集【すっきり! 気持ちを切り替える】より、一部を抜粋編集したものです。

 

【著者紹介】
下園壮太(しもぞのそうた)
1959年、鹿児島県生まれ。‚ 82年に防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊に入隊。心理幹部としてカウンセリングを担当。定年退官後はうつ、自殺予防、惨事対応、メンタルトレーニングなどのカウンセリングを行なう。『心の疲れをとる技術』(朝日新書)など著書多数。