
やめることで毎日がラクになる人付き合い
限りある人生の時間を、あなたは誰と過ごしたいですか? その人間関係が本当に必要かどうか、考えてみましょう。
◆気が乗らない人付き合いを続けていませんか?
ママ友付き合いや、腐れ縁だから続けているけれど、本当は苦手な学生時代の友達との付き合いなど、実は気が乗らない人付き合いや会合ってあるものです。惰性で参加しているLINEのグループチャットや、本当は好きでもない友達との交際は、やめていいのではないでしょうか。
◆「楽しいフリ」は自己肯定感を下げる
私自身、「行かないと悪いかな?」「もう誘ってくれなくなるかも」と、一時はこうした会合に毎回参加していました。しかし、会うたびに「なんだか時間の無駄だな」と感じ、だんだん憂鬱になっていったのです。「話すことがないな……」と思いながら、周りの話をただ惰性で聞いている。「つまらないな」と思っているのに楽しいフリをしていると、だんだん自分への信頼感も下がっていきます。
◆人生で大切なのは、誰に囲まれて生きるか?
人間は、「誰に囲まれているか」が最も重要かもしれません。ドロップボックスの創業者のドリュー・ヒューストン氏は、マサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業式のスピーチで、「人生のカンニング・ペーパー(Cheetsheet)に書かれている三つのこと」という話をしました。「人生はあなたが最も多くの時間を過ごす5人で決まる」と彼は言います。誰と付き合って、誰と付き合わないかが、この短い人生を決めるのです。
◆残りの人生を誰と過ごしますか?
それと同時に、ヒューストン氏の話には「3万」という数字も出てきます。これは、人生は大体、3万日しかないということ。MITの卒業生に対しても、「君たちはもう8千日使ってしまっている。残りの人生をどう過ごしますか?」と問うています。
「限りある人生を過ごすうえで、自分の周りに誰を置くか?」は非常に重要なことなのです。
本記事は、「PHPスペシャル」2020年7月号特集【心がラクになる「やめる」習慣】より、一部を抜粋編集したものです。
【著者紹介】
野本響子(のもときょうこ)
編集者、ライター。出版社勤務を経て、マレーシアに移住。現在は、オンラインサイト「マレーシアマガジン」編集長のほか、PRや教育、旅行事業などに従事。著書に『日本人は「やめる練習」がたりてない』(集英社新書)などがある。