クリーニング代を節約。衣類が長持ち。アイロンの手間が減る。柔軟剤・漂白剤いらず。洗濯を"楽しい家事"にしましょう。


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ほとんどの服は、家庭の洗濯機で洗えます!

性能の洗濯機や洗剤を使っているのに、服がキレイにならない......それは、あなたの洗濯のやり方が間違っているからです。
洗濯のプロである私たちから見ると、多くの人の洗濯方法は、家庭用洗濯機が普及した約50年前のまま。でも、この50年の間に繊維は驚くほど進化したため、当然、アップデートが必要なのです。
そこで今回は、最新の洗濯術を大公開。この方法なら、ほとんどの服が自宅でキレイに洗えます。洗いあがりに満足できない人は、洗濯ブラザーズ流の洗濯術を、ぜひお試しください!

洗濯の新常識クイズ 次の"常識"は正しいでしょうか?

Q1. 洗剤は、たくさん入れるほどよい
A ×
洗剤の量が多いと泡が立ちすぎて、汚れが繊維からはがれにくくなります。また、すすぎきれずに洗剤が繊維に残ると、黄ばみや部屋干し臭の原因にも。洗剤は「使用量を守る」のが正解です。

Q2. シャツの黄ばみは漂白剤で落とす
A ×
正しく洗えば、黄ばみも洗剤だけで落とせます。漂白剤は刺激が強く、生地にダメージを与えるので、しつこい汚れを落とすときだけに使うのが賢明。その際は、「酸素系漂白剤」を使いましょう。

Q3. 洗濯物は部屋干しがよい
A 〇
大正解! 洗濯物を日光(紫外線)に当てると、生地の色が抜けてしまうのです。とくに濃い色は日光に弱く色あせる危険性が大。しっかり洗えていれば、部屋干し臭の心配もありません。

まず、準備しよう! 洗濯の質は「準備」で決まります。

(1)素材別に分ける
家庭で洗えるものと洗えないものを分けます。皮革・毛皮、レーヨン、キュプラ、アセテート、光沢・シワ加工のもの以外は、ほぼ家庭で洗えます。クリーニングに出すより、キレイになることも。

(2)汚れ別に分ける
洗濯物を「デイリー=普段着や下着、タオルなど」「ハード=目に見える汚れのあるもの」「ソフト=ニットやレースなど繊細な素材のもの、色もの」の3つに分類。臭いの原因「モラクセラ菌」の繁殖を防ぐため、通気性のよいカゴに入れましょう。

(3)汚れを浮かせる
洗濯物を洗う前に、プレウォッシュ(前処理)で汚れを浮かしましょう。弱アルカリ性の液体洗剤と同量の水をスプレー容器に入れて混ぜれば、専用液が完成。トップスやアウターの襟口、袖口、脇などにひと吹きすると、汚れが落ちやすくなります。

Q. ドライクリーニングはしなくていいの?
ドライクリーニングは、水ではなく石油系の溶剤で洗う技術。油性の汚れは落とせても、汗のような水性の汚れは落とせません。したがって、学生服やワイシャツ、セーター、スーツなどは、家で洗うのが正解。「ドライ」のタグも「ドライクリーニングできます」の意味で、「しないといけない」ではないのです。シミ抜き以外は家で洗ってみましょう。

いよいよ、洗濯! 服にやさしいのはアナログな洗い方なんです。

(1)洗濯機を洗う
さっそく洗濯......の前に洗濯槽の清浄を。洗濯槽の裏側には、臭いの原因となるモラクセラ菌などの雑菌がすみついています。それが衣類に付着すると、部屋干し臭の原因に。春夏は月に1回、秋冬は3カ月に1回、必ず洗濯槽の洗浄を行なってください。

(2)たっぷりの水に、洗剤を溶かす
いまは、全自動洗濯機を使っている人がほとんどでしょう。全自動洗濯機は、スタートボタンを押せば、洗濯物の量や重さに応じた量の水を溜めてくれますが、「汚れをしっかり落とす」には、多くの場合、水の量が圧倒的に足りません。タテ型洗濯機の場合は、洗濯物を入れる前に手動で、基本設定より水量を1段階上げるか、満水位まで注水してから、洗剤を投入し、しっかり水に溶かしましょう。

Q. どんな洗剤がいいの?
デイリーは弱アルカリ性洗剤が最適、ソフトは中性洗剤が向いています。液体洗剤と粉末洗剤では、後者のほうが洗浄力が高いので、ハードな汚れには粉末を。デイリー&ソフトは液体洗剤でOKです。なお、粉末洗剤は洗浄力が高いぶん刺激が強いので、生地に残ると肌荒れやアレルギーの原因に。すすぎは、たっぷりの水でしっかり行なってください。

(3)自動設定を解除する
自動設定を解除し、「洗い」「すすぎ」「脱水」の時間を、オススメの時間設定を参考に設定し直しましょう。とくにドラム式洗濯機は汚れを落ちやすくするために、洗いの時間を大幅に長くするのがコツです。洗剤の量は、タテ型・ドラム式ともに、多めの水量か満水に合わせます。
オススメの時間設定(ふだん洗い)
タテ型〔洗い8〜10分/すすぎ水量多めで2回/脱水3〜5分〕
ドラム式〔洗い20分/すすぎ注水で2回/脱水3分〕
メーカーの平均的な設定
タテ型〔洗い8〜10分/すすぎ節水モードで2回/脱水37分〕
ドラム式〔洗い8〜10分/すすぎ節水モードで2回/脱水38分〕

(4)汚れ別に洗う
デイリーは弱アルカリ性の液体洗剤で、の表どおりに洗いましょう。ソフトは必ず洗濯ネットに入れ、中性の液体洗剤で「洗い3分-脱水1分-すすぎ1回-脱水1分」。ハードは、汚れの部分をしっかりプレウォッシュすれば、デイリーと一緒に洗ってOKです。

Q. ドラム式洗濯機を上手に使うにはどうすればいいの?
ドラム式は、水の先入れができないので水と洗剤を混ぜることができません。そのため、事前に水と洗剤を1対1の割合で混ぜた液を作って洗濯機の洗剤ケースに入れ、かつ洗濯物の量は窓の半分以下、水量は最大に調整すればOK。水と洗剤を混ぜた液は、7回分ほど作ってペットボトルに入れておくとラクです。

さあ、乾かそう! どんなお天気でも部屋干しをしましょう。

洗濯物を乾かすコツは、以下の4つ。臭いを生む菌の増殖を防ぐため、5時間以内に乾燥を。狭い部屋のほうがよく乾きます。

(1)部屋干し
繊維の傷みを防ぐためには、部屋干しを。
(2)除湿
乾燥時間短縮のため、湿度は40%以内に。(夏は27℃、冬は20℃にエアコン設定)
(3)風を送る
風の流れを作ると洗濯物が早く乾きます。サーキュレーターや扇風機でより効率UP!
(4)洗濯物の間隔をあける
衣類が空気に触れる面積を広げましょう。間隔の目安は、こぶし1個分以上です。

Q. 部屋干しすると、臭いが気になります
先に触れたとおり、部屋干し臭のおもな原因は、モラクセラ菌などの雑菌です。洗濯槽をつねに清潔に保つ、洗濯物が水分を含まないよう脱いだ衣類は洗濯機に入れずに、通気性のよいカゴに入れる、正しい干し方をして短時間で乾かす。これで菌の繁殖を防げば臭いません。

Q. 乾燥機は使っても大丈夫?
洗濯物が濡れた状態は繊維がいちばん弱っていて、そのまま乾燥機にかけると縮んだり伸びたり、毛玉になったり、過乾燥でツヤが消えるおそれが。7〜8割まで自然乾燥させ、最後の仕上げに15分ほど乾燥機にかけるのがベスト。ふんわり、ふっくら仕上がります。




PHPくらしラク~る」 7月号より

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本記事は、「くらしラク~る」2020年7月特集【"清らかな部屋"で快適に! スッキリ 8割捨て】より、一部を抜粋編集したものです。

【著者紹介】
洗濯ブラザーズ(せんたくぶらざーず)
毎日の洗濯を楽しくハッピーにするための活動をするプロ集団。横浜でクリーニング店を経営するかたわら、国内外のアーティストの衣装クリーニングを行なう。著書に『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)がある。