いろいろな種類の消毒液がありますが、ウイルス対策には、どういったものを選べばよいのでしょうか。


KH082_350A.jpg


「消毒」「殺菌」と言える商品は限られる

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年の春ごろからマスクと並んで消毒液が入手しづらくなってしまいました。感染予防について、一般的なマスクに絶対的な効果は望めませんが、手指の洗浄・消毒は確実に効果が望めます。
市販されている手指の消毒液の有効成分は、主に次の2種類があります。

・塩化ベンザルコニウム:
細菌やウイルスに有効とされているものの、新型コロナウイルスに対しての有効性は検証試験中(※)。エタノールも配合されている商品が多い。

・エタノール:
エチルアルコールと呼ばれるアルコールのことで、消毒液としてもっとも一般的。新型コロナウイルスにも効果がある。手荒れしやすいという注意点がある。

エタノール70%(容量比)などと表記された消毒用エタノールが、医薬品、医薬部外品としていろいろ市販されています。
「消毒」「殺菌」の効果をうたえるのは医薬品、医薬部外品として認められたものだけですが、2020年4月に厚生労働省から臨時的・特例的に、酒類製造業者が製造する高濃度エタノール製品(アルコール度数の高い酒)を、消毒用エタノールの代替品として手指消毒に使用できることや、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、手指消毒用として60%台のエタノールを使用しても差し支えないことが通知されました。

石けんと流水で洗えばOK

殺菌や消毒ではなく、除菌や洗浄用として、化粧品や雑品という分類で売られている、アルコール濃度が低い商品もあります。「除菌」には正式な定義や統一の基準がないため、メーカーがそれぞれの基準で「除菌」と表示していると考えられます。購入するときは、用途や配合成分を確認することをお勧めします。
消毒液が手に入らない場合、家庭であれば、水道水と石けんで念入りに手を洗えばOKです。30秒以上かけて、爪の間や指の間、手の甲、手首など手全体を洗ったあと、指先をとくに丁寧に洗ってください。

※塩化ベンザルコニウムについて:2020年5月に経済産業省から、新型コロナウイルスに対して有効と発表されました。




PHPくらしラク~る」8月号より


KRcover2008.jpg

本記事は、「くらしラク~る」2020年8月特集【夏の家事ストレスが消える! 暮らしの超らくワザ】より、一部を抜粋編集したものです。


【著者紹介】
岡田正彦(おかだまさひこ)
新潟大学名誉教授、医学博士。専門は予防医療学、長寿科学。大規模な追跡調査に基づき、日本の医療や健康に関する間違った常識に警鐘を鳴らしながら、日本人のがんや血管障害などの危険因子を探るための研究に取り組む。著書多数。