登園を嫌がる下の息子さんを園に預け、ぐったりして帰宅した香月さん。すると、上の息子さんから思いがけない言葉と贈り物が......。


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息子からのプレゼント~私を励ましてくれた家族の「ひと言」

3人の子どもを育てています。
4月から年少で新入園の娘と一緒に登園している年長の次男。その日は両方のクラスでお出掛けに行くということで、8時30分までの登園をお願いされていました。
普段、行き渋ることはほとんどない次男が、何かのはずみで急に不機嫌になり、「今日はお休みする!」の一点張り。刻々と迫り来る時間に、私も次第にイライラ......。
休校と登園自粛が続いており、3週間ほど兄妹3人で家で楽しく過ごしていました。その日は、小2の長男が分散登校で家にいるため、行きたくないと思うのも当然と言えば当然です。
いつもなら、「じゃあ、何か好きなお菓子でも食べて、元気出して行こう」で治まるところが、今日はそれが通じず。前日には娘がゴネて、帰るときには「楽しかった!」。それを幾度となく繰り返し経験済み。もう子育て1年目の新米お母さんではありません。
ごめんと思いながら心を鬼にして、「行きたくない~‼」と泣いて暴れる次男を先生に託し、ぐったりして帰宅。20㎏近くのバタバタ暴れるわが子を久しぶりに抱っこして運び、「はぁ~、疲れた~」と思わず声に出して言ってしまうほどでした。

蘇るのは、小学2年の幼い自分の姿。学校に行くのを嫌がって玄関に座り込み、てこでも動かなかった自分。
母は当時、3人の子どもを育てながらフルタイムで働いていたので、専業主婦の私とは、朝の時間のゆとりもイライラ度も比べものにならなかったと思います。今日の次男は、過去の自分を見ているようでした。
困らせたくてしてたんじゃないよ、ただ本当に行きたくなかっただけ――。
頑固者だった私に、母は手こずったはずです。今だから言えます。母に心から「あのときは困らせたよね、本当にごめんね」。
その上、今日は1年前に亡くなった祖母の命日でした。「お母さんは、あのときは悩んでたがねえ」と、祖母の声が聞こえたような気がしました。

一部始終を見ていた長男が、疲れてしばらくぼーっとしていた私に、「ママ、お疲れ」と言って、コーヒーを淹れて、チョコレートと一緒に私に出してくれました。
びっくりする私に、「いつもママにはお世話になってるからよ」と格好つけて、恥ずかしそうに笑っています。
母の日に「手紙もらいたいなぁ~」と言っても書いてくれなかった長男がくれた言葉と優しさに、ほろりと泣きそうになりながら、今日は次男の好物のフライドポテトを夕飯に揚げようと考えていました。
長男が用意してくれたとびきりの一杯で、元気がムクムクとわいてくるようでした。きっとお迎えのときには、次男と娘がピカピカの笑顔を見せてくれることでしょう。

子育ては、毎日が連続ドラマのようです。嬉しいことがあったり、怒ったり泣いたり。毎日何が起きるかわかりません。
今していることの結果がすぐには出ないけど、こうやって子どもたちからたまに嬉しい言葉をもらったり、優しくされたり、自分に思いがけず返ってきて、それが毎日お母さんを頑張る自分への嬉しいプレゼントになっています。

香月伴心(宮崎県・37歳・主婦)




「PHPのびのび子育て」11月号より


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本記事は、「PHPのびのび子育て」2020年11月号特集【子どもがぐんぐん伸びる親の「口ぐせ」】より、一部を抜粋編集したものです。