Withコロナ時代、マスクを着用することが多くなって、自分の吐く息の臭いが気になった方も多いのでは?口臭を抑えるための簡単習慣を紹介します。


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口臭の3大要因

口臭を発生させる要因は、主に次の3つです。

(1)飲食物によるもの・生理的なもの
ニンニクなど臭いの強いものを食べたときや、起床時や空腹時、月経の前後などで起こる。生きて生活をしていれば生じる一時的なものなので、あまり気にしなくてもよい。

(2)体の病気によるもの
糖尿病や肝臓疾患、消化器系の内臓疾患などによって起こる。病気によって、それぞれ特徴的な臭いがある。原因となる病気の治療をすることで口臭も治まる。

(3)口の中の環境によるもの
唾液の分泌が少ない、舌が汚れている、歯磨きが不十分、歯の空洞に入り込んだ食べ物が腐敗している、歯周病にかかっているなど。強い口臭がある場合、内臓に病気がなければ、多くの場合は歯周病が原因と考えられる。

【口臭予防】基本はやはり歯磨きです。次の方法で、口の中の環境を整えよう!

口の中には細菌がいっぱい。正しい歯磨きで、歯周病や口臭の原因となる悪玉菌をやっつけましょう。

夜の歯磨きを丁寧に
歯磨きは、回数よりも、いかに丁寧に時間をかけて行なうかがポイントです。1~2分、パパっと毎食後に磨くよりも、1日1回でいいからしっかり時間をかけて丁寧に磨くほうが効果的です。最も重要なのが夜の歯磨き。できれば20分、せめて10分はかけて、1本1本の歯を磨きましょう。

歯の隙間を念入りに
歯を磨くときには、歯の表・裏だけでなく、側面を意識してください。歯の横の面、隣の歯との間は歯ブラシが届きにくく、手抜きになりがちです。こまめに歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯の隙間をきれいにしましょう。

舌も磨く
舌の表面に白っぽいものがついていませんか? それは舌苔と呼ばれる細菌の塊です。放置すると口臭の原因になりますので、舌用のブラシで軽くこするなどして、舌の汚れもきれいに落としておきましょう。

【花田先生に質問!】

Q,歯磨きの代わりに、殺菌効果のあるマウスウォッシュ(洗口剤)ですますのではダメなんですか?
A,洗口剤は手軽に清涼感が得られますが、歯周病菌の棲み処のもととなる歯の汚れまでは落とせません。
家庭でのケアとして、歯磨きは必須です。

Q,歯磨きをちゃんとやったら、洗口剤を使ってもいいですか?
A,歯磨き後の仕上げに使ったり、傷がつきやすい舌のクリーニングに使ったりするのは問題ないでしょう。ただし、殺菌力の強い洗口剤を頻繁に使っていると、口の中にいる善玉菌まで減らしてしまいかねません。
殺菌目的で使う場合、用法・用量を守りましょう。

Q,ジェット水流で歯の間をそうじする洗浄器(ウォーターフロス)を使っているのですが、歯磨きの代わりになりますか?
A,歯の間に挟まったものを取り除く効果は高いのですが、ウォーターフロスだけでは歯垢は落としきれません。
ウォーターフロスで食べかすを取り除いてから、そのあとにしっかりブラシで歯磨きするというように、合わせ技で使用するとよいでしょう。

「自然の洗口剤」唾液を増やそう

唾液には抗菌作用があります。唾液が十分に出ていれば、口の中は常に洗われている状態になります。

「口呼吸」に注意
唾液には、食事後の口内をきれいにしたり、細菌を絡め取ったりする働きがあります。口呼吸が習慣になっていると唾液がすぐに乾いてしまいます。鼻で呼吸するよう意識しましょう。鼻呼吸がしづらい場合は耳鼻科を受診することをおすすめします。

よく噛んで食べる
食事の際、噛む回数を増やすことで、口の中が刺激されて唾液が増えます。噛み応えのある食べ物を意識的にとりましょう。虫歯予防につながるキシリトール入りのガムを噛むのもよいでしょう。

すっぱいものを食べる
例えば梅干しやレモン、グレープフルーツなど、酸味の強い食べ物を定期的に食べるのもよいでしょう。すっぱい食べ物に含まれるクエン酸が口の中を刺激して、唾液が増えます。

唾液腺を刺激する
3カ所の大きな唾液腺を手でマッサージすることで、唾液の分泌を促します。それぞれ3回程度繰り返します。食事の前に行なうのが効果的。

<耳下腺マッサージ>
親指以外の4本の指を頬と耳たぶの間にあて、奥から前へ円を描くように回す。
<顎下腺マッサージ>
耳の下からあごの先まで、あごの骨の内側に沿うように指先を使って押す。
<舌下腺マッサージ>
両手の親指をそろえてあごの真下から舌を突き上げるように、ゆっくりと押し上げる。

舌のエクササイズ
舌の筋肉を鍛えることで、唾液の分泌が促されます。

1,口を大きく開け、舌を前後に出したり引いたりする。
2,舌をできるだけ前へ出し、左右に動かす。
3,舌先で円を描くように唇を1周する。
4,上の前歯の裏に舌先を当て、舌打ちするように音を出す。




「PHPくらしラク~る」12月号より


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本記事は、「くらしラク~る」2020年12月特集【またモノが増えていませんか? 年末これだけ! 断捨離】より、一部を抜粋編集したものです。

【著者紹介】
花田信弘(はなだのぶひろ)
鶴見大学歯学部教授。福岡県立九州歯科大学歯学部卒業、同大学院修了。国立感染症研究所部長、九州大学教授、国立保健医療科学院部長などを経て、2008年より現職。