毎年春になると花粉症に悩まされるのですが、鼻水や鼻詰まりなどの症状を解消する特効薬はないのでしょうか。


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根本的な治療方法は見つかっていない

花粉症は、花粉という異物が私たちの体内に入ったときに、からだが過敏に反応して起こる症状の総称です。
花粉症を引き起こす主な原因とされる杉は、戦前にはそれほどなかった木です。戦中・戦後に資材や燃料として過度に伐採されて荒廃した森林に、成長が早く木材として加工しやすく用途の広い杉が人工的に大量に植えられたのが大失敗のもと。これだけたくさんの人が花粉症に悩まされることになってしまいました。 
現在のところ、花粉症を根本的に治す方法は見つかっていません。
症状が現れるのを防ぐには、アレルギー症状を引き起こす原因である花粉を体内に入れないようにするしかありませんが、これは現実的には不可能でしょう。

最近の薬は副作用が少ない

根本的な治療は無理でも、症状を抑える薬はあります。しかも、その薬はどんどん進歩しています。
かつての薬は、第1世代の抗ヒスタミン薬と呼ばれ、効き目が強い代わりに、眠気に襲われたり口が渇いたり、尿が出にくくなったりするなどの副作用も強く現れました。
最近は、副作用が抑えられ、効果が大きい第2世代と呼ばれる薬が次々に開発されています。また、効き目の出る時間が長く、1日1回から2回の服用でよいものが主流です。ただし第1世代の薬に比べると即効性は弱いため、花粉が飛び始める2週間ほど前から服用を始める必要があるとされています。

病院で処方してもらうのがおすすめ

第2世代抗ヒスタミン薬は、もともと病院で処方される薬だったものが、「スイッチOTC医薬品」という、薬局でも購入できる商品となり、いろいろな名前で売られています。しかし抗ヒスタミン薬の効果は個人差が大きく、自分に合ったものを選ぶ必要があります。そのため、市販薬を選ぶ前に、まず病院で処方してもらったほうが安心です。




「PHPくらしラク~る」4月号より


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本記事は、「くらしラク~る」2021年4月特集【モノが増えても散らからない 心地よい片づけ 家事が100倍ラクになる! 】より、一部を抜粋編集したものです。

【著者紹介】
岡田正彦(おかだまさひこ)
新潟大学名誉教授、医学博士。専門は予防医療学、長寿科学。大規模な追跡調査に基づき、日本の医療や健康に関する間違った常識に警鐘を鳴らしながら、日本人のがんや血管障害などの危険因子を探るための研究に取り組む。著書多数。