オンライン学習だからこそ伸びる! 成功する子どもの共通点とは?

西岡壱誠
2025.06.24 12:06 2025.06.27 11:50

勉強する女の子

コロナ禍を経て増えてきた「オンラインコーチング」。対面で勉強を教えるのではなく、生徒ごとに「こういう勉強をしよう」という学習プランを提示して、オンライン上でコミュニケーションを取りながら実行してもらう塾の形態です。実際に生徒に対してコーチングをした経験を持つ西岡壱誠氏は、オンラインコーチングがとても「ハマる」生徒がいるといいます。

オンライン学習で伸びる子どもには、どのような共通点があるのでしょうか? 西岡壱誠著『オンライン教育で日本はどう変わるのか?』から紹介します。


※本稿は、『オンライン教育で日本はどう変わるのか?』(西岡壱誠/講談社)から一部抜粋・編集したものです。

オンラインコーチングで伸びる生徒の特徴

教室で勉強する高校生

オンラインコーチングがとても「ハマる」生徒がいるのも事実です。結論から言うと、オフラインと比べてオンラインの方がずっと自分の感情を表に出しやすいというタイプの生徒には、これ以上ないくらいオンラインコーチングがハマるのです。

僕がオンラインコーチングをやっていて本当に驚いた出来事があるので紹介させてください。普段のチャットのやりとりだと非常に活発で、絵文字を使って自分の感情を発露させていて、生き生きと前向きに勉強をしている女子生徒を受け持ったことがあります。

どんな子なんだろうと思ってオフラインで会ったら、ほとんど喋らないんです。まずは目が合わないし、会話もうまく成立しているように感じない。本当にこの子なのか、別人と会っているんじゃないか? とすら思いました。

でもその後、オンラインでのコミュニケーションに戻ったら、「今日はありがとうございました! お話しできてよかったですー! 緊張しちゃっててほんとごめんなさい!」というふうなメッセージが来ていて、「ここまでオンラインとオフラインの姿が違うの!?」と思った記憶があります。

オンラインでのみ自分の本当の感情を発露させることができる人

図書館で勉強する大学生のイメージ

これは極端な例ですが、しかし本当にこういう生徒は結構な数で実在します。デジタルネイティブの生徒たちは、オンラインでのみ自分の本当の感情を発露させることができる人が一定数いるんです。オフラインだと表情筋が死んでいるのかというくらい感情が表に出ない生徒が、オンラインだと自分の感情を見せてくれて、コーチと積極的にやりとりしてくれるわけです。オンラインコーチングは、こういう生徒に対してはめちゃくちゃハマると感じます。

また、オフラインとは違う人格で振る舞うことができるというのもいいでしょう。仮に学校でうまくいっていない生徒であっても、コーチに対してはフレンドリーに接することができるかもしれないわけです。普段の自分を知らない人に対するコミュニケーションの方が、かえって気楽なことはありますよね。

小学生からスマホを持っているのが当たり前の今の日本において、おそらくこういう子供は増えていくと思いますから、オンラインコーチングの需要はこれからますます高まっていくと言えるのではないでしょうか。

西岡壱誠

西岡壱誠

東大生作家。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも2浪し、3年目から勉強法を見直して偏差値70、東大模試で全国4位となり東大合格を果たす。東大入学後、『ドラゴン桜2』(講談社)の編集、TBSドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」の脚本監修を担当。2020年には株式会社カルペ・ディエムを設立し、全国の高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施して高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師への指導法のコンサルティングを行っている。

X:@nishiokaissey

Instagram:@issey_nishioka

オンライン教育で日本はどう変わるのか?

オンライン教育で日本はどう変わるのか?』(西岡壱誠/講談社)

コロナ禍を機に広まった「オンライン教育」は現在、中高・予備校・大学での学びを革新しつつあります。既に全国290万人の高校生のうち30万人が通信制高校に通ってオンライン主体の学習を行っており、近い将来には3人に1人がオンライン通学する社会が訪れると予想されています。しかし、そんなオンライン教育革命の実態は関係者以外にあまり知られていません。そこで、多数の学校に携わる教育ベンチャーを経営する著者が、通信制高校の仕組みから動画授業やオンラインコーチングのメリットとデメリット、オンライン教育時代の社会変化まで包括的に論じた、オンライン教育のすすめが本書です。