中学生研究者が教える「自由研究のテーマ選び」は?【「自由研究EXPO2025」イベントレポート】

2025年7月、学研キッズネットpresents 「自由研究EXPO2025」が開催されました。「子どもたちの探求心を刺激する」目的で開かれた同イベントでは、サイエンスエンターテイナーの五十嵐美樹さん、工作の伝道師・久保田雅人さん、13歳で専門家とともにニホンオオカミの論文を発表した小森日菜子さんなど、豪華ゲストたちによる「ステージショー」をはじめ、自由研究のヒントとなるワークショップが盛りだくさん。
小学生、中学生、そして親御さんが多く詰めかけ、会場は好奇心旺盛な子どもたちの熱気であふれていました。
本記事では、小森日菜子さんのトークショーの様子を、写真とともにご紹介します。
「自由研究EXPO2025」とは?
子どもたちに楽しみと学びの場を届けることが目的の「自由研究EXPO2025」。実験・工作など、さまざまなテーマのブースに加え、ステージショーやワークショップ、体験型展示などのコンテンツが用意されました。イベント期間中は小学生から中学生、保護者まで述べ1,854名の方が来場しました。
2023年にスタートして以来、第3回となる今回も学研本社ビルで実施。主催する学研キッズネットでは、好きなこと、興味のあることの「なぜ」を探求する学習を自由研究と呼んでいます。子どもたちが「なぜ」に出会う場、自由研究のネタを見つけることができる場として毎年多くの注目を集めています。
「体験」を通して自由研究のヒントが得られるブースでのワークショップやステージコンテンツが充実していた今回。ステージショーでは2日間で8つのプログラムを披露。『紙コップで飛ばせるロケットやUFOを作る工作ショー』や『自由研究マジックショー』などが行われました。
中学生オオカミ研究者・小森日菜子さんが登壇
今年のステージショーの目玉のひとつとして、ニホンオオカミの中学生研究者・小森日菜子さんの「まぼろしの動物 ニホンオオカミ! 世界が驚いた自由研究のひみつ」がありました。
学研キッズネットで色々なお仕事を紹介しているお仕事キャプテンが司会を務め、小森さんの3年におよぶ研究をまとめた児童書籍『まぼろしの動物 ニホンオオカミ 小学生、なぞのはくせいの正体を追う』(Gakken)の編集者も一緒に登壇しました。
小森さんは小学4年生の時に、偶然訪れた博物館で謎の剝(はく)製と遭遇します。もともとニホンオオカミが好きで、出会った瞬間にニホンオオカミの剝製に違いないという強い気持ちを抱いた小森さん。
専門家の協力も経て、謎の剥製をニホンオオカミの剝製と証明する過程を小学5年生の自由研究としてまとめあげ、第25回「図書館を使った調べる学習コンクール」(主催:公益財団法人 図書館振興財団)調べる学習部門小学生の部(高学年)で文部科学大臣賞受賞。さらに研究を深め、13歳で専門家と共に論文を発表するまでに至りました。
そんな若きニホンオオカミの研究者が、小中学生と保護者に向けて、100年以上前に絶滅し解明されていないことが多いニホンオオカミの秘密や調査の裏側を語りました。
想像するニホンオオカミを描いてみよう!

冒頭、参加者の子どもたちが想像するニホンオオカミの絵を描くワークショップがあり、熱心に絵を描く子どもたちの様子がモニターに映し出されます。描かれたニホンオオカミは多種多様。可愛らしい、かっこいいなどさまざまなニホンオオカミが披露されました。
その後、小森さん自身が発見した6体目を含め、それ以前に確認されている5体のニホンオオカミの剝製をもとにニホンオオカミの姿の解説をします。ただ、現存する剥製には相違点があることを説明し、「解明されていないことも多い。だからこそ、興味をそそられる」とニホンオオカミの魅力を語ります。
小森さんが小学5年生の時に発表した自由研究は50ページにもおよぶ大作です。きっかけは博物館のバックヤードツアーに参加し、後に6体目のニホンオオカミの剝製とわかった「謎の剝製」に出会ったこと。その瞬間「これってニホンオオカミじゃない?」とレーダーがピピっと反応したという小森さん。
自由研究のネタを見つけるヒント

自由研究のネタを見つけるヒントとして、「自分の興味のあるものや好きなものを自由研究のテーマに選ぶのが大事だと思います」と語る小森さん。
それに対し、司会者のお仕事キャプテンは、「どれにピンとくるかわからないから、色んなとこ行って、色んなものを見て、本とか読んで、なんでもやると可能性が広がる」とアドバイスを添えます。
また、『まぼろしの動物 ニホンオオカミ 小学生、なぞのはくせいの正体を追う』の編集者は、「探そう探そうとするより、色々出かけてもらって、アイデアが来るのを待つほうがいいかもしれませんね」と語りました。
会場には絶滅動物が好きな子どもも参加

「絶滅動物が好きで今日きたよって人いますか?」という司会者の問いかけに対して、2名の子どもが反応。その理由について、「鳥が好きで絶滅した『リョコウバト』が好き」という女の子や「どうしてそんなカタチなんだろう?」と気になるからという男の子。2人とも楽しそうに答えていました。
イベント終盤には、小森さんが考えたという絶滅動物に関する3択形式のクイズ5問を実施。「パキケトゥスという絶滅動物は何の動物の祖先か」「絶滅動物『ドードー』が出てくる世界名作といえば」など、聞きなれない名前の絶滅動物の姿も問題と一緒にスライド内で見ることができ、子どもたちは真剣な表情で挑戦していました。遊びのようでいて、確かな学びのあるひとときとなったようです。
「好き」が育む探究心
心から「好き」と思えるテーマで取り組む自由研究は、子どもの探究心や学びの姿勢を育てることでしょう。そのきっかけは、何気ない出会いや体験から始まるのかもしれません。
この夏休み、たくさんの子どもたちがさまざまなものに触れ、感じ、体験することで、「なぜ?」に出会い、自分だけの自由研究を見つけられるといいな、と思いました。

たけたにちほみ(著),小森日菜子(特別協力) ,川田伸一郎(監修)『まぼろしの動物 ニホンオオカミ 小学生、なぞのはくせいの正体を追う』(Gakken)
かつて日本に生息し、100年以上前に絶滅したニホンオオカミ。絶滅動物が好きな小森日菜子さんは小学生のとき、博物館の施設でニホンオオカミに似たはくせいを見つけました。周囲の大人の力も借りて調査し、作成した自由研究は第25回「図書館を使った調べる学習コンクール」で文部科学大臣賞を受賞。その後も専門家の力を借り、調査結果を論文にまとめます。
本書では、小森さんの3年以上におよぶ研究の過程をはじめ、ニホンオオカミと人との歴史、ニホンオオカミ以外の絶滅動物について紹介。自由研究のヒントがつまった一冊です。





























