上の子のわがままな行動~子育て相談室

斉藤孝子
2023.10.04 13:13 2010.09.19 12:00

斉藤孝子先生からのアドバイス

真剣な顔の子ども

下のお子さんが誕生し、手がかかるようになると、上のお子さんには、我慢させることが多い…「なんか、かわいそう!」「きっと、心の中は不安定だろう。」と、思われるお母様方は多いものです。なるべく上のお子さんの気持ちに応えてあげたいと思うのは、自然なことですね。

しかし、その時に、注意しなければいけないのは、『不安定な心を受け入れてあげる』ことと『お子さんのいいなりになる』ことは違うということです。この価値基準が、『いいなりになる』という接し方だと、わがままになります。

また、反対に、わがままになることを恐れるお母さんは、価値基準がすごく厳しくなるものです。もしかすると、お母様は、こちらの接し方に似ているところはありませんか。

わがまま放題でどうしようと思うあまり、「あれも駄目」「これも駄目」と言ってはいませんか。そうなると、自分の気持ちを押さえることを自然とお子さんは学んでしまうものです。

幼稚園ではおとなしい、友達とかかわらないというのも、何か心の中で押さえているものがあるのかもしれませんね。

『わがまま』の価値基準をもう一度、お考えになるのもいいでしょう。絶対許せないという価値基準もあれば、これぐらいは許せるというふところの深さも必要です。

また、幼稚園でお友達と関わらない、ばかにされることも…というお話ですが、たぶん、お子さんは、自分の気持ちを押さえ、表現していくのがちょっぴり苦手なのかもしれませんね。

それには、まず、お子さんの良いところをたくさん伸ばし、自信を持たせ、ひっこまずに前へでることを教えていきたいものです。

お母さんは、お子さんの良いところを10個言えますか。お子さんの目の前で、語ってみてください。

そして、その良さを友達にも伝えていきたいですね。初めは、園では先生が、降園後は、お母さんが一緒に友達の輪の中に入ることも必要かもしれません。友達と遊ぶ機会をたくさん作ってあげてくださいね。

斉藤孝子

斉藤孝子

1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。