息子の行動にイライラ、感情的に~子育て相談室

斉藤孝子
2023.10.04 13:46 2012.05.16 12:00

悩む母親と赤ちゃん

息子の行動にイライラしてしまい、怒鳴ったり、叩いてしまうと悩む相談者。こんな時、どのように接すればいいのでしょうか。日本ベビーコーチング協会理事の斉藤孝子さんが、子育ての悩みに答えます。

※この記事はWEBサイト「PHP INTERFACE」に掲載されたものです。

斉藤孝子(さいとう・たかこ/日本ベビーコーチング協会理事)
1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。

息子にイライラしてしまう…

男の子

1歳9ヶ月の男の子と4ヶ月の女の子の25才の母親です。毎日、寝る時、布団にころぶと30分~40分、毎晩息子が私の顔を蹴ったり体全体で擦りつけてきたりします。眠りに付くまでの間は毎晩します。

主人は「お前に甘えとるんや」って他人事に言いますが、こんなこと毎晩されるとイライラして、たまりません。それで息子の儀式みたいなのが始まると「死ね!死ね!やめりよ」っと怒鳴りまくって叩きまくってしまいます。

息子は、一言も意味のある言葉を喋らなくて叩かれても笑ってます。怒られてるのが分からず余計に「何で分からへんの」って叩いてしまいます。このままじゃいけないと思って主人に「保育園に預けたい」と、おもいきって言いました。もちろんダメでした。

主人は、子供が大好きで私がイライラして子供に怒鳴ってると散歩に連れ出したりしてくれます。外出しても下の子のベビーカーも押して上の子も抱っこしてくれて頭が上がらないくらい子供の世話をしてくれるんです。

だから余計に、まだ喋れない息子を保育園に預けるなんて許せないんです。私は、どうしたらいいんでしょうか?

(25歳、女性)

斉藤孝子先生からのアドバイス

手

「お母さん、大好き」という気持ちで笑って蹴っているのか、何か、満たされないことや欲求不満があり、蹴るという行動にでるのか……理由は、はっきりとはわかりませんが、蹴るという行為がいけないことであるということは、愛情を持って、教えていかなくてはなりませんね。

1歳9カ月という年齢のお子さんは、まだ言葉がしゃべることができなくても、「だめ」という禁止の言葉や簡単な指示行動はできますので、大人の言っていることは、ある程度わかる年齢です。

私が、お母さんのご相談メールを拝見していて、気になることは、結果として、怒鳴りまくって、たたきまくってしまう行為です。お母さん自身が高まる感情が抑えられないのでしょう。お母さんの気持ち、よくわかりますよ。

しかし、そういう中で怒られ続けても、お子さんは、素直に耳を貸そうとはしませんし、わかろうともしないと思うのです。「やめなさい」と言われることより、「叩かれて痛い」ということの方が心に強く残ると思います。

さて、どうすればいいのかというと、感情で怒るのではなく、毅然とした態度で、お子さんの両手を持って、いけないということを真剣に目と目を合わせて、伝えていくことが大切です。

そして、いけないものはいけないのですから、叩かせないように力づくでも阻止すべきです。お父さんに協力してもらうのもよいでしょう。しかし、愛情をもってしかるということは忘れないでくださいね。

もしかしたら、お子さんは、心の中で「ぼくを見て!ぼくのことかまって!」という信号を送っているのかもしれませんよ。

お母さんがお子さんを叩きまくっていたら、お子さんは、叩くことは当たり前のことと思うかもしれません。だから、蹴っても悪いことではないということを学んでしまったのかも?

保育園の件ですが、保育園に預けても子育ては、お母さんの仕事。今ある現状を放棄しないで、がんばって! お母さんは、お子さんのことを大切に思っているからこそ、何とかならないかとお悩みになっている…。

その思いがあるのですから、お子さんとの時間を一分でも一秒でも大切にしましょうよ。いろいろと悩みながら、良い子育てがしたいと思っているお母さんですもの…大丈夫。お父さんと協力して、自信を持って、良い家庭を作り上げてください。

斉藤孝子

斉藤孝子

1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。