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「減塩」も「コレステロールカット」も! 危険ワード5

和田秀樹(精神科医)

2022年11月25日 公開 2024年01月16日 更新

 

危険ワード3:糖質ゼロ

体重を落とすのには効果的ですが、免疫力が落ちる恐れも。

糖質(炭水化物)を摂らなければ、たしかに体の脂肪は燃えやすく、早いスピードで体重を落とせます。多すぎる内臓脂肪はさまざまな病気の要因になるので、そうならないためにも糖質をある程度コントロールすることは大切です。

しかし最近、私たちの体に非常に重要な役割を担う免疫細胞が、内臓脂肪を含め体内の脂肪分から作られることがわかってきました。ですから、ウイルスや細菌などから身を守るために、脂肪を減らしすぎないようにしましょう。

なお、糖質ゼロをうたう食品に使われている人工甘味料の中には発ガンリスクや血糖値を上げるものもあり、まだ安全とは言い切れません。むしろ、自然の糖質を適度に摂るほうがより安全だと考えられます。

 

危険ワード4:大豆イソフラボン

女性には効果が期待できますが、男性は摂りすぎに気をつけましょう!

大豆イソフラボンは、女性ホルモンと同じような働きをするため、女性の体と心のバランスを整え、内面的にも外見的にも若々しさを保つのに有効な成分です。更年期をスムーズに乗り切るためにも効果的だとされています。

しかし、男性の場合は注意が必要です。男性のシニア期からリスクが高まる前立腺ガンの予防には女性ホルモンが使われますが、女性ホルモンが多くなりすぎて相対的に男性ホルモンが減ってしまうと男性機能が衰える危険も。

すると、性欲がなくなるだけでなく判断力が落ちたり、社交的でなくなって活動性が低下したりします。前立腺ガンのリスクが高い人を除いて、特に男性は大豆イソフラボンの摂りすぎに注意しましょう。

 

危険ワード5:コラーゲン入り

食べたコラーゲンがそのまま体の中でコラーゲンになるとは限りません!

コラーゲンの分子は大きいため、口から摂ってすぐに血液の中に入るわけではありません。体の中でいったん分解され、アミノ酸になってからコラーゲンの合成を助けるのです。

コラーゲン入りの食品を食べると、それが最終的にはコラーゲンの合成につながる可能性もありますが、その合成力は人によってさまざま。食べたコラーゲンがそのまま全部、体の中でコラーゲンになるとは限らないのです。

なお、コラーゲン入りの化粧品にも疑問が残ります。分子が大きいので、肌に塗ったところでコラーゲンが肌の下に浸透するとは考えられません。多少の保湿効果はあるかもしれませんが......。いずれにせよ、コラーゲンを食べる、塗るを妄信するのは禁物です。

【著者紹介】和田秀樹(わだひでき)
精神科医。1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。「和田秀樹こころと体のクリニック」院長。国際医療福祉大学大学院教授。『だから、これまでの健康・医学常識を疑え!』(WAC)、『だから医者は薬を飲まない』(SBクリエイティブ)など著書多数。

 

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