否定からは何も生まれません。いきいきとした心を保つために、今すぐできることをしましょう。

 

女性

 

「やるべきこと」が山積みになると、人は自分を否定し始める

 

「何をやってもダメ」「もう限界」と、元気がマイナスまで落ち込んでしまっているときは、「自分には全く能力がない」と決めつけているときです。

みなさんにも身に覚えがあると思いますが、そうなってしまうのも無理はありません。なぜなら、やりたいことをするためには、やりたくないことを山ほどしなければならない社会になってきているからです。私の感覚では、やりたいことが1割、やりたくないことが9割という割合です。

たとえ夢見ていた職業に就いたとしても、そこには競争があったり、思うように成果が出ない現実があったり、人間関係の折り合いがうまくつかないことがあったりして、乗り越えなければならないものがたくさんあります。

 

やると気持ちいいことをやってみる

 

元気が出ないときは、もしかすると、やりたくないことをやらなければならない状況にあるのかもしれません。そんなときは、絶対に無理や我慢をしないようにします。なるべく体を動かさず、アクションは少なく、短時間で気分が切り替わることをしましょう。

ポイントは「1分以内にできること」「人にやらされている意識を捨てること」です。例えば以下の2つのことがおすすめです。

 

(1)空を見上げる

どんなにつらくても、空を見上げる気力さえあれば、人は生きていけます。空を見上げたときの心の動きを、静かに観察してみましょう。

 

(2)花を一輪だけ飾る

起き上がれないようなときに、部屋に花が飾ってあれば、それだけで気持ちが落ち着きます。たった一輪でも、花は心を癒やしてくれます。

 

何があっても潰れない「心の基礎体力」をつけるには

 

100メートル走の本番では全力を発揮して、走り終わったあとのインターバルではゆっくり休むというように、力の調節がうまくできる人の根底には、自己肯定感があります。

自己肯定感とは、「自分はこんなに調子がいい」と自信を持つことだけではありません。調子が悪いときも、「これが今の自分の状態なんだ」と、ありのままの事実を、否定せずに受け止められる力のことです。

自己肯定感は一朝一夕では育ちません。毎日、継続して小さな練習を積み重ねていくことで育っていきます。100メートル走の大会で11秒台で走ろうと思ったら、練習では11秒台で走れているのが当たり前、10秒台で走れるくらいに力を高め、基礎体力を上げていく必要がありますよね。

 

「空元気」は心の元気度をはかるバロメーターになる

 

同様に、元気にも基礎体力が必要です。元気がなくなってきてもマイナスまで落ち込まないように、基礎体力をつけましょう。

基礎体力がついたかどうかをチェックするには、元気がなくなったときに空元気を出してみるとわかります。空元気を出したとき、気分が盛り上がってくれば基礎体力はついてきています。

反対に空元気を出した反動で落ち込んでしまうようなら、基礎体力を育てることに専念しましょう。

例えば、以下の2つのようなことを実践するのがおすすめです。

 

(1)一言ほめ日記をつける

一日の終わりに、自分を賛美する短い言葉を、たった一つだけ手帳に書きます。何も思い浮かばなければ、「大丈夫」「よかったよ」「素敵だね」だけでもいいです。

 

(2)週に1回はおしゃれをして出かける

特別な出来事がある日ではなくても、週に1回はお気に入りの服を着て出かけます。ネイルもいいですね。なるべく明るい色を選ぶと、口角も上がっていきます。

 

本来「ダメな人間」など誰一人としていません。世界でたった一人のあなたが、人生を前向きに生きていけるように、毎日を楽しめる工夫を一日1分でも5分でも続けていけば、きっと生きていくことの自信は育っていくことでしょう。

 

『PHPスペシャル』12月号より

 

 


 

スペシャル

 

本記事は、PHPスペシャル2018年12月号特集「心が元気になるヒント」より、一部を抜粋編集したものです。

 

【著者紹介】

 

中島 輝(なかしま・てる)

心理カウンセラー。統合失調症やパニック障害など多数の困難を乗り越え、その経験をきっかけに独学で心理学やセラピーを学ぶ。著書に『エマソン 自分を信じ抜く100の言葉』(朝日新聞出版)、『大丈夫。そのつらい日々も光になる。』(PHP研究所)などがある。