子どもが2歳になったら「赤ちゃん言葉」はもうやめよう

坂本洲子
2023.03.24 11:02 2023.03.22 19:52

親子

子どもが正しい言葉をみずから身につけるために、親にできることはなんでしょうか。『1・2・3歳 赤ちゃんの心を育てる楽しい五感あそび』(坂本洲子 著)は、自主性や社会性の芽を育てながら潜在能力を伸ばし、心を育む1冊。

ここでは、21カ月~29カ月の赤ちゃんとのおしゃべりについてご紹介します。

※本稿は、坂本洲子著『1・2・3歳 赤ちゃんの心を育てる楽しい五感あそび』(PHP研究所)より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

坂本洲子(家族カウンセラー)
日本福祉大学社会福祉学部卒業。養護施設勤務を経て、1985年からヒューマン・ギルドでカウンセリング、研修に従事、その間、シカゴにあるアドラースクールで家族カウンセリングについて学ぶ。帰国後、ヒューマン・ギルド心理室長として後進の指導、講演、カウンセリングを行なう。「21世紀母親研究所」を設立、2006年2月に「ファミリーカウンセリングの母親研究所」と名称変更し、現在に至る。家族カウンセラー、心理療法士、社会教育主事、保育士の資格を持つ。

「赤ちゃん言葉」はつかわない

頬をつく子ども

子どもは「アーアー」「ブー」という喃語(なんご)から話しはじめ、「マンマ」「イヤイヤ」「ブーブー」「ワンワン」といった一語文から、「ママ、いった」などの二語文を経て、短い文章を言えるようになっていきます。

発音も正しくできませんが、親が正しく発音することで子どもは学んでいきます。お母さんだけが、子どものちんぷんかんぷんな言葉の意味を理解し、子どもの”赤ちゃん言葉”を繰り返したり、わけのわからない言葉で対応してしまったりすると、子どもは正しい言葉を学ぶ機会を失ってしまいます。

子どもが正しい言葉をみずから身につけるためにできることは次の3点です。

1.「赤ちゃん言葉」ではなく、正確に発音すること。
2.子どもが言葉を間違えたり正しい発音ができなくても、直そうとあせらないこと。
3.子どもが話しているとき、間違いを指摘したり、言葉づかいを正したりしないこと。

批判は勇気をくじき自信をなくさせてしまいがちです。勇気をなくした子どもは口ごもり、引っ込み思案になっていき、人前で話すことに緊張するようになっていくか、怒ってますます不正確な発音を続けるかになります。

子どもの言葉づかいを正すのではなく、子どもが自ら気づいて直していけるよう、話すことを勇気づけることが大切です。遊びを通して、子どもが楽しく言葉を獲得していけるよう、楽しく接していきましょう。