「ほめ方」を変えればいい性格になる!
大人からほめられると、子どもはどのように変わっていくのでしょうか。家庭教育研究所代表の高橋愛子さんが、子どもを伸ばすほめ方を紹介します。
※この記事はWEBサイト「PHP INTERFACE」に掲載されたものです。
高橋愛子(家庭教育研究所代表)
家庭教育研究所代表。1938年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。3男1女の母親。カウンセラー、セラピスト、ファミリー・コンサルタントとして、企業や学校などで研修を行なう。2009年より全国の親子支援者と「安心親子応援団」を結成。著書に『頭がいい親の上手な叱り方』(コスモトゥーワン)など多数。
ほめるほど安定する、穏やかになる
“喜び”と”安心感”が子どもを伸ばす!
「ほめる」とは、子どもの存在を賛美し、「喜び」という心のご馳走を与えることです。今日、無気力、無関心、無責任な若者が問題になっています。彼らが共通して訴えるのは「自分が好きではない」「ほめられた体験がない」こと。
一方、「ほめられて喜びを味わえた」人は自己愛が育ちます。その種は自分に誇りをもたせ、「自分を育てる力」を育て続けるのです。親から無条件に「あなたが大好き」「あなたのことが大事」と、ありのままの自分の存在をほめられ、喜びを与えられた子は、自分が受け入れられている、認められていると感じ、安心感で満たされて心が安定します。
すぐにカッとなったり、すねたりするのは、自分の思いが満たされていないからです。認められていない、好かれていないという意識も強く、心の中に怒りや寂しさを抱えている子です。
要は心に喜びが少なく、栄養が足りない状態なのです。ほめ過ぎて荒れる子はいません。むしろ子どもは有頂天になるぐらい、たっぷりとほめると伸び伸びとした穏やかな子に変わっていきますよ。特に思春期を迎えるまでの人格形成には大切な支えになるでしょう。
ほめるといい性格になる3つの理由
【理由1】自分も人も好きになる
人は、ほめられると自分のことが好きになっていきます。反対にほめられたことが少ないと、本質的に「自分を好き」になれません。
自分のことが嫌いだったら、「どうせ自分なんか」とすねたり、ひねくれたりすることも増えていきます。しかも自分を嫌いだと、人も好きにはなれません。だから反抗的になったり、カッとなって人を傷つけたりするようになるのです。
日頃から「すごいね」「素晴らしいね」と言われ、ほめられることが多いほど、子どもは自分を好きになっていき、人のことも好きになります。自分も人も好きな子は明るく朗らかでいられ、みんなから「大好き」と言われることで、ますます安心し、心が安定します。
さらに人は、好きなものは夢中になって育てようとするものです。ほめられて自分を好きになった子には、自分を高めようという向上心が生まれます。自らの力で自分を育て、伸ばしていくこともできるようになるのです。