小学生が「感想文のクオリティを引き上げる」ために効果的な語彙3選
感想文で使う表現がワンパターンになってしまう…そんな悩みを克服するには、語彙力を鍛えることが重要です。感情にまつわる言葉を覚えて、文章のクオリティをグレードアップさせましょう! 齋藤孝さんが紹介します。
※本稿は齋藤孝著『「伝える力」が伸びる! 12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部抜粋・編集したものです
齋藤孝(明治大学文学部教授)
1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』(日本能率協会マネジメントセンター)、『語彙力こそが教養である』『小学3年生から始める!こども語彙力1200』(いずれもKADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)など多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。
エモいを言い換えてみよう!
・情緒がある
【意味 】さまざまな感情を起こさせる。
【例文】この辺りは昔ながらの街並みが残っていて、情緒がある。
・感慨深い
【意味】心に深く感じて、しみじみと思い出にひたること。
【例文】もうすぐ小学校を卒業するのかと思うと感慨深い。
・えも言われぬ
【意味】言葉では言い表せない。表現できない。
【例文】成人式で小学校の友達と再会して、えも言われぬ気持ちになった。
・情緒纏綿(じょうちょてんめん)
なにかにつけて感情が深く動かされて、離れたくないと思うこと。「じょうしょてんめん」と読む場合もあるよ。
「エモい」は、最近よく耳にするようになった。「感情的な」という意味をもつ「エモーショナル“emotional”」という英語が語源になってる。感情が動く感じだね。感情が大きく揺さぶられた時に使う場合は、情緒があるや心が揺さぶられるといった言い換えができるよ。他にも、どこか懐かしさを感じさせるような、感慨深い気持ちを抱いた時にも使われるんだ。
エモいは便利な言葉で、モヤモヤとして言葉にしづらい感情を表現する時にも用いられているよ。でも、もともと日本語にはえも言われぬや言うに言われぬといった言葉もあるから覚えておこう。
面白いを言い換えてみよう!
・心が引かれる
【意味】引き寄せられるような魅力を感じる。
【例文】ぼくと兄は、対戦モードのあるゲームに心が引かれる。
・引き込まれる
【意味】人や物などに魅力を感じ、心を引きつけられる。
【例文】姉が好きな歌手の歌声に引き込まれて、母もファンになった。
・夢中
【意味】ひとつの物事に熱中して我を忘れること。
【例文】最近、父とぼくはマインクラフトに夢中だ。
・興味深い
【意味】興味を引かれる。関心をそそられる。
【例文】エベレストが年に数cmずつ高くなっている事実は興味深い。
・魅力的
【意味】人の心を引きつける力があること。
【例文】友達と遊園地にく計画は魅力的だったが、家の事情で断った。
・無我夢中
ある物事に熱中しすぎて、自分自身を忘れてしまうことを意味するよ。みんなが無我夢中になることはなにかな?
・興味津々
ある物事に対する興味や、面白いと感じる気持ちが尽きない様子。「津々」は、次々と湧き出てあふれるさまを意味するよ。
「面白い」は、目の前がぱっと明るくなる感じを表していた言葉だといわれているよ。そこから、気持ちが晴れ晴れとして愉快なこと、楽しいことを意味するようになり、さらには心が引きつけられる興味深いことに対しても使われるようになったんだ。
江戸時代ごろには、思わず笑ってしまうような、おかしなことを意味するようにもなったよ。お笑い番組を見て「面白い」と感じるのは、このパターンだね。言い換え語には、ひょうきんやユーモラスといった言葉があるよ。ユーモラスは英語で、人の心をほっとさせるおかしさがあることを意味するよ。