宅浪、予備校、医学部専門校…すべてを経験した医学部志望4浪生の「涙の結末」

吉澤恵理
2025.02.13 12:35 2025.02.13 12:00

合格発表をみる学生※写真はイメージです

近年、医学部人気はますます高まっており、受験生の数は年々増加傾向にあります。医療の需要が拡大する社会情勢や、医師という職業に対する高い評価も相まって、受験生の注目度は以前にも増して高まっています。

しかし、入試の難易度は上昇の一途をたどっており、合格を勝ち取るためには非常に厳しい競争を勝ち抜かなければなりません。医学部を目指し、浪人をする人も増えています。今回は、苦闘の4浪を経てついに医学部に合格したあきこさん(仮名)に受験体験を聞きました。(取材・文/吉澤恵理)

先生から「絶対に合格できる」と言われていた高校受験でまさかの結果に

教室で勉強する高校生

――4度目の挑戦で合格されたとお伺いしましたが、合格したお気持ちは時のお気持ちはどうでしたか?

あきこさん:「やっとここまで来られたんだ」という安堵感と嬉しさでいっぱいでした。長い浪人生活だったので、家族への感謝の気持ちも大きかったです。

――医学部を目指したきっかけは?

あきこさん:幼稚園の頃ですね。父が医師なので、その影響はもちろんあったと思うんですけど、直接「医者になりなさい」と言われたことはなかったんです。私が本当に目指すきっかけになったのは、『Dr.コト―診療所』を見ていた影響です。

「お医者さんが足りない島で人を助ける姿が、とてもかっこいい!」と憧れを抱いたんです。当時、両親にそのことを話すと「頑張ってね」と笑っていました。

――小学校や中学の受験もしましたか?

あきこさん:両親は、あまり勉強についてはきにすることなくのびのび育てられて、小中とも受験はせず、近所の学校でした。塾も行かず、ダンスを習ったり、活発でした。

中学の頃は、テスト勉強は試験直前にちょっとやれば大丈夫、みたいなところがありました。周囲からは「優秀だね」と言われることが多かったです。でも、それが後々の受験では仇になってしまった感じはあります。

――高校はどういった学校に進みましたか?

あきこさん:高校受験で都立の医歯薬の実績がある高校を受験しました。先生たちからも「絶対合格できる」と言われていましたし、模試でも合格圏内でした。

吉澤恵理

吉澤恵理

1969年生まれ、1992年東北薬科大学卒業。薬剤師として長年医療に携わった経験から医療領域、また教育領域を得意とするジャーナリスト。メディアでの執筆、連載やTV出演など多数。プライベートでは、結婚、妊娠、出産、離婚、介護と様々な経験を経て、現在4人の子を育てるシングルマザー。