小学生や中学生からでも英語力は伸びる! 英語の早期学習で陥りがちなワナに要注意

石井麻由子
2025.12.27 16:26 2026.01.03 07:00

机に向かう小学生の男の子

グローバル化が盛んに叫ばれる時代、「子どもの英語学習は早く始めなければ!」と、プレッシャーを感じている親御さんも多いことでしょう。

しかし、「小学生や中学生からでも、英語力は十分に伸ばせる」と英語学習コーチの石井麻由子さんは言います。さらに英語の早期学習で気をつけるべきことがあると警鐘も鳴らします。グローバルに活躍する子どもの英語上達の必須条件を紹介します。

※本稿は石井麻由子著『中学受験・高校受験・大学受験がぐっと楽になる 英語を武器にできる子の育て方』(日経BP)より一部抜粋、編集したものです。

小学生や中学生からでも、英語力は十分に伸ばせる

「英語学習は早ければ早いほどいい」とよく耳にします。諸説ありますが、脳には発達の臨界期とされる時期があり、特に0~9歳は英語などさまざまな言語を自然に吸収しやすいとされています。そのため、この時期に学び始めることにはメリットがあるのも事実です。

しかし、ここで強調したいのは「発達の臨界期とされる時期を過ぎたからといって、遅いというわけではない」ということです。

小学校高学年や中学生になってからでも、英語力は十分に伸ばせます。むしろ年齢が上がるからこそ備わる理解力や集中力を生かし、効率的に習得できる場面も多いのです。

そこで、英語学習に関する研究報告を踏まえつつ、英語学習をスタートする時期と英語の習得度の関係などについて考えてみましょう。

英語学習は「早ければいい」というわけではない

幼少期は前述の通り、言語習得の感受性が高く、早くから英語学習を始めれば、英語の音に耳が慣れるのも早くなります。母語として日本語を学ぶように、英語の音やリズム、単語の意味を感覚的に身に付けることができ、発音もネイティブに近い形で習得しやすくなります。

こうした背景から、英語学習については、「早ければ早いほどいい」とよくいわれます。しかし実際のところ、その答えは「YES」とも「NO」とも言えます。

小学校高学年頃になると、英語学習の最大の障壁は「周囲の目」といわれるように、自意識が芽生えることで周囲を気にするようになり、それが学習の弊害になることもあります。

しかし、幼少期や小学校低学年のうちは「英語を話すのが恥ずかしい」という羞恥心や、「間違えたらどうしよう」という不安に邪魔されることなく、英語をどんどん吸収し、抵抗感なく言葉を発することができます。

また、幼少期から英語学習をスタートすれば、単純に英語に触れる総時間が長くなるため、中学校で本格的な英語教育が始まったときに大きなアドバンテージを持つことができるでしょう。

ただ、一方で幼少期から英語学習を始めて英語を話せるようになったとしても、それだけで英語の4技能をきちんと習得できるかというと、そうではありません。

遊びの中で身に付く「プレイグラウンド・イングリッシュ」と、学術的な場面やビジネスで求められる「アカデミック・イングリッシュ」との間には、大きな隔たりがあります。

英語力をしっかりと定着させ、自在に使いこなすためには、「読む」「書く」といった学習を継続し、文法・語彙・文の構造を体系的に学ぶことが欠かせません。

論理的な思考や抽象的な概念を理解する力が育ってくる小学校高学年以上になって初めて、こうした学習を効果的に吸収できる段階に入ります。

つまり、幼少期に楽しく英語に触れることは意味があることではありますが、本格的な英語を身に付けるには、やはり小学校高学年以降の学習が重要ということ。

高学年や中学生から英語をスタートしても遅すぎるわけではないということです。

エビデンスが示す英語上達の絶対条件

絵本を読む親子

英語学習において何よりも大切なのは、「継続できるかどうか」という点です。

早稲田大学理工学術院英語教育センター教授の尾島司郎さんが、『日本言語学会第166回大会』で発表した小学生を対象とした脳科学研究によると、「英語学習は『早ければ早いほどよい』という単純なものではなく、『必ずしも早期開始が有利とは限らない』」ということです。

同じ研究から、「早期開始することにメリットがあるとしても、それは十分な接触時間を確保できることが前提条件。英語の開始年齢ではなく、トータルで英語に多く触れていることが重要」ということです。

つまり、何歳で始めたかよりも、どれだけ長く途切れずに学習を続けられるかが成果を大きく左右するということです。

実際、この研究では「非常に高いレベルの英語力に到達する確率を高めるには、数千時間に及ぶ継続的な接触が有効」とも述べられています。

子どもの英語学習において、継続を実現するために欠かせないのが、「親のサポート」です。親が伴走し、子どもの学習内容を理解しながら声をかけたり、無理なく取り組める工夫をしたりすることによって、英語学習は「継続可能なもの」になります。

さらに、親子で一緒に学びを楽しむことができれば、子どものモチベーションも高まり、学習効果がより大きくなるだけでなく、大切な親子の時間を共有する機会にもなります。

石井麻由子

慶応義塾大学在学中に米ウェスタンミシガン大学に留学。NHKでアナウンサーとして活躍後、夫の転勤で家族そろってシンガポールで暮らし、一人娘の英語教育に力を入れる。帰国後はラジオニュースや司会などのアナウンサー業の傍ら、英語学習コーチとしても活躍。娘は小5で英検1級に合格、中2でTED×Ogikuboにスピーカーとして登壇、高1でワールドスカラーズカップ決勝大会(米エール大で開催)に進出し、東アジアの出場チームの中で1位。

石井麻由子著『中学受験・高校受験・大学受験がぐっと楽になる 英語を武器にできる子の育て方』(日経BP)

英語が得意な子どもを育てるために、親ができることは? 「英語が得意な親でいなければ」と気負う必要はなく、親子で一緒に英語コンテンツを楽しんだり、学習計画をサポートしたりできればいいのです。大事なのは、親が子どもにとっての最高の「英語コーチ」になること。

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