子育てがうまくいきません!~子育て相談室

斉藤孝子
2023.10.04 13:11 2010.09.15 12:00

斉藤孝子先生からのアドバイス

泣く娘を抱きしめる母

なぜか、上のお子さんには厳しく、そして怒ってしまう…というお母さんは、意外と多く、ご相談のお母さんだけではありません。どうしても、下のお子さんの方が、手がかかってしまうことと、幼いからこそ特に守らなくては…という本能みたいなものが人間にはあるのかもしれませんね。

しかし、上のお子さんにとっては、今まで、自分だけに全ての目が注がれていたのに対し、急に突き放された寂しさからストレスとなり、ご質問のような行動にでて、反発するのはあたりまえのこと。

でも、それは、お母さんを困らせてしまうことであり、お母さんは、怒ってしまう…。それもあたりまえのこと。お子さんもお母さんも、自然な行動だと私は思います。

ただ、ここで、冷静に考えなくてはいけないことは、怒るという行動は、感情だということです。上のお子さんに対し、感情で、イライラの対象となってしまっても、愛情がないというわけではないのです。

今回のご質問のようにどうしたらいいかとお悩みになるのは、上のお子さんに対しても上手に子育てがしたいという母親としての「強い責任」から生まれるものです。それは、愛情なんです。上のお子さんがめざわりになっても、根底の部分では深い愛情があるということを思いだし、忘れないでくださいね。

ただ、子育て奮闘中の今は、お母さんご自身に精神的な「ゆとり」がないのでしょう。それもわかります。でも、時には、上のお子さんを出産した時のことや今の上のお子さんが抱いている気持ちを考えたり、感じたりしてあげてください。そして、1週間に1度でもいいので、上のお子さんと二人きりの時間を過ごすことを心がけてみてください。

母親と娘

下のお子さんばかりに目がいってしまっていたら、上のお子さんにはやさしい言葉を投げかけてあげてくださいね。こういう中で、上のお子さんも自分は突き放されたのではなく、愛されているということを実感し、生活の中での行動も安定してくるはずです。そうなれば、お母さんだって、怒ることも少なくなり、穏やかに過ごす事ができ、親子の信頼関係も深く結びついていく事でしょう。

それから、子育てが情けないことに上手くできないなんて、悩まないでくださいね。がんばりすぎてしまうと、お母さんにとっても、お子さんにとっても、良い結果は生まれません。時には、リフレッシュしましょうよ。

どなたかにお子さんを預かっていただいて、お父さんと二人だけでデートを楽しむのもいいでしょう。お友達と映画を観るのもいいでしょう。お母さんの日頃の疲れを癒すことも良い子育ての秘訣ですよ。

斉藤孝子

斉藤孝子

1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。