親の口ぐせで「子どもの性格」は変わる

石川洋子

(2)自分に自信が持てるようになる

私たちには、自己に自信が必要です。自分にも「できる」という感覚も必要です。 「すごいね」「よかったね」「大丈夫!」といった言葉は、子どもに自信を与えます。

これらの言葉は、積極性や向上心につながります。たとえ苦手なことがあって も、1つでも自信が持てていれば、それをきっかけとして乗り越えることもできます。

一方、「あなたは、だからダメ!」「やっぱりできないじゃない」「○○ちゃんはで きるのに…..」といった否定的な言葉や比較の言葉ばかり聞かされていると、子どもは、自分はダメなのだという感覚を常に持つことになります。消極的で引っ込み思案にもなるでしょう。

「ダメ」と言われて発奮したり、競争意識の中で自己を高めていくには、心の強さとある程度の年齢も必要なのです。明るい気持ちで何度もトライしていけるような言葉をたくさんあげたいものです。 親自身の失敗談やそのときの気持ちなどを話してやることも役に立ちます。

(3)自分自身で考えられるようになる

私たちは、「考える」ということができます。「どうしてだろう」「どうすればいいかな」「〜だから、〜になったんだね」といった親の言葉は、自分や他人の言動を振り返り、原因や結果を思考することができます。

今後の予想や見通しも持てるようになりますから、子どもに余計な不安感や自信喪失感、または、いらぬ劣等感やイライラ感からくる乱暴な言動をさせないですみます。

自分でじっくり考えるという中からは、自制心も育まれるでしょう。「ダメ!」「早くしなさい!」だけでは、よい言動、よくない言動の理由がわかりません。次も同じようなことをしたり、結局は親がしてくれるのを待ったりするだけになり、依存的にもなるでしょう。

親への反発や怖さだけがつのり、消極的になったり、逆に乱暴になったりということもあります。 言葉は、発しなければ意味はありません。子育ては、以心伝心というわけにはいかな いのです。