親の口ぐせで「子どもの性格」は変わる

石川洋子

親が毎日発する言葉は、影響力がとても大きいもの。その理由をご紹介します。

※本稿は『PHPのびのび子育て』2013年12月号から一部抜粋・編集したものです。

石川洋子(文教大学教授)
日本女子大学大学院修士課程修了(家政学研究科児童学専攻)。子育て支援、母親支援をライフワークに活躍中。著書に『子育て支援カウンセリング』(図書文化社)ほか。

あなたの言葉が子どもの将来を左右する!

「口ぐせ」が性格をつくる3つの理由

子どもの性格は、変えられるのでしょうか。 これは、持って生まれた気質もありますが、実は後々つくり上げられる部分も大きいのです。とくに子どもにとっては、親が投げかける言葉や表情はとても大切です。

子どもは日々親の言葉を聞きながら、自分の言動への評価を読み取り、それに応じて自分をつくり上げていくのです。 自分が愛されていることがわかれば心は落ち着き、穏やかになります。

他人の気持ちや行動の道すじについて教えてもらえれば、人を思いやったり、行動的にもなれま す。言葉を使って自身を振り返ったり、「考える」ということ自体も学ぶでしょう。 言葉とは、子どもを育てるための大切で特別な手段なのです。

(1)自分が受け入れられていることがわかる

心の成長には、「愛着」が必要であることがわかっています。愛着とは、特定の人と の愛情の絆のことで、何かあったら守ってもらえるという安全感、安心感のことです。

「そういうところ、大好きだよ」「〜だから、悔しかったんだね」といった言葉 は、自分は愛されているし、たとえ自分が「悔しい」というマイナスの気持ちを持っても、受け入れられるのだということがわかります。

親への信頼感は、他人への信頼感にもつながります。穏やかで、他人を信じることが でき、相手のことも受け入れられる協調性を持った人へと育つでしょう。

「あとで!」「今忙しいから、あっちへ行ってなさい」などのような言葉をかけ続けられると、子どもは不安定になり、いつまでもぐずぐず言ったり、親に振り向いてもらいたくてわざと悪いことをしたりします。

私たちは、本当に感情に敏感な生き物なのです。この感情を落ち着かせ、安全感、安心感を与えられるような言葉をたくさん あげたいものです。