わがままに振り回される~子育て相談室

斉藤孝子
2023.03.24 13:33 2023.03.15 19:11

抱っこされる子

何でも嫌がり、わがままに振る舞うようになった子どもに、どのような声掛けをすればいいのでしょうか?日本ベビーコーチング協会理事の斉藤孝子さんが、子育ての悩みに答えます。

※この記事はWEBサイト「PHP INTERFACE」に掲載されたものです。

斉藤孝子(さいとう・たかこ/日本ベビーコーチング協会理事)
1963年生まれ。日本ベビーコーチング協会理事。1990年から1992年の2年間、衛星チャンネルで公開授業を放映。各種雑誌での執筆の傍ら、幼稚園などの研修や教材開発を手がける。かぞくの雑誌「きらら」、シングルエイジ教育誌に連載中。「幼児は表現の天才」(アドア出版)「母と子と先生と」(創教出版)「生き方の原理原則を教える道徳教育」(明治図書)などにも執筆。2児の母。

娘のわがままにイライラしてしまう

笑顔の女の子

2歳5ヶ月の娘のことです。ここのところ、いろんな物に執着したり、服を着替えたりすることをとても嫌がり、そういう場合にどう対処していいか困っています。

まず、いろんなものに執着が激しいと言うことなのですが、そういう時期なのはわかってはいるので、「もう一回、もう一回」と言うことにはできるだけ付き合っています。

ですが甘い食べ物(飴などのお菓子)に関しては何個も食べれば虫歯などが心配なので、「一個だけね」と言い聞かせてその場は「うん!」と良い返事が返ってくるので食べさせるのですが、その後「もう一個、もう一個」が始まります。

私が拒めばものすごく泣き喚きます。なにか別のことに気をそらせようと試みるのですがことごとく振られます…。あまりにひどいのでだんだん私もイライラして怒ってしまいます。その場合どう対処するのが良いのでしょうか?

もう一つ着替えなどについてなのですが、着替えをさせようとすると「自分でやる!!」と言い張ります。自分でなんでもやりたいと思ってくれているのはいいのですが、「やりたい」と言うのは口だけで、手は動きません。

休みの日ならやる気になるまで付き合うこともできるのですが、仕事をしているので仕事のある日は時間がなく、待っていることができないのでどうしても自分でやってくれない日は無理やり着替えさせます。

案の定、泣き喚いて暴れるのでもう力ずくです。そんなことが良いわけないのはわかってはいますが他に方法がわかりません。「へ~んしん! して!」などと声は掛けるのですがその気になってくれるのはごく稀です。

どう対処をしていいのでしょうか? よろしくお願い致します。

(21歳、女性)

斉藤孝子先生からのアドバイス

泣く女の子

お母さんもわかっていらっしゃるように、2~3歳は、第一次反抗期で、何でも「いやだいやだ」「自分でやる!」の時期ですね。自我の芽生えの時期であり、それは、順調にお子さんが発達している証拠です。でも、お母さん方は悩まれるんです。

専門書などでは、「それをわかった上で怒ったりおさえつけたりは絶対にやめましょう」と書いてありますが、お母さんがイライラしてしまう気持ち、よくよくわかりますよ。

理屈ではわかっているけれど、実際、それが毎日毎日続いたら、イライラも最大限になってしまいますよね。わかる! わかる! それで、お母さんの方が疲れてしまうでしょう?

でも、正直な話…これは続きます。その格闘の中で、自己主張ばかりではなく、我慢することを覚え、人との接し方を学んでいくんですよね。

お子さんは、言葉で上手く自分の思いを伝えられないから、泣きわめくしかないということを冷静にわかってあげてくださいね。ママに意地悪しようなんて思っていないのですから…。

さてさて、上手な付き合い方ですが、ママの「忍耐」。それだけかな?というと、怒られそうですが…。でも、一つだけ言うならば、「約束」をきちんと決めて取り組まれるとよいかと思います。「いやだ、いやだ」の反抗も『許せる範囲のこと』と『約束だから、「だめなことはだめ」と言い通すこと』のどちらも必要です。

お母さんからのご質問の2つの事例は、2つとも「だめ」と押し通すことが正しいですね。泣きわめかれてしまっても、「約束は約束」と押し通していく中で、我慢を覚え、自己コントロールできるようになります。ここは、「忍耐」ですね。

また、お着替えもそうです。それを待ってあげたりしてしまったら、我慢の出来ない子になってしまい、大きくなって、自分中心で自己抑制力がないために、他人から注意されると「キレル子」になってしまいます。

大げさな話だなんて、思わないでくださいね。乳幼児期の子育ては、人間としての土台を作る大切な時期なんですから…。

お母さんの接し方は、間違っていないと思いますよ。とにかく、ドーンと構えて、「忍耐」で乗り切ってください。今の一年はとても長いけれど、長い人生を考えると、ほんの一時であり、1つの通過点です。がんばれ!お母さん!