子どもが言うことを聞かない時は、あなたに何か伝えたいこと、気づいてほしいことが、あるのかもしれません。

 

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必ず理由があります 「ダダこね」の根を掘る!

 

 

思い通りにならないと、泣いたり暴れたり、いつまでもグズグズと聞き分けが悪かったり、相手の気持ちや迷惑にはかまわず自分の思いを無理に押し通そうとしたり――。こうした「ダダこね」は、親の立場から見れば、わがままのひと言につきるのですが、子どもにとっては、何かを伝えようとしている手段だと思えば、グズグズやわがままに対する受け止め方も変わってきます。

 

ダダこねが始まってしまうと、子ども自身も気持ちを上手く切り替えられなくなります。消火活動は目の前の炎ではなく火元に行ないますが、それと同様に、目の前でどんな修羅場が繰り広げられていようとも、親が第一にすべきことは、わがまま、グズグズのきっかけや原因を見つけることです。対処法を探すのではなく原因やきっかけを見つけることで、結果的に対処法へと導かれていきます。子育てにおいても急がば回れが鉄則なのです。

 

隠れた本音に気づきましょう

 

子どもは、自分の気持ちをうまく伝えられないがために、騒いでいる可能性も大きいのです。親の立場で結果や状況だけを見るのではなく、「どうしてそういうことをするのかな」と、その裏側にある気持ちを考えましょう。子どもの負の感情にも向き合い、気持ちに共感してください。怒りや悲しみなどの気持ちを親子で伝え合う経験を積むことで、園や学校でも、子どもは適切に自分の気持ちを伝えられるようになるはずです。

 

・大人の都合を優先しようとする時
親の都合で子どもの遊びを一方的に切り上げたり、1日連れ歩いたりすると、子どもは次の行動の見通しが持てず、その時、その場で好奇心を満たそうとするため、普段より聞き分けが悪くなります。

 

・体が疲れている時
1日の中では夕食前の空腹時が、体も心ももっともエネルギーの補給を必要とします。子どもは甘えたい気持ちが全開になり、いつまでもグズグズと無理難題を要求してきます。

 

・長期の休み明けの時
休み中は、起床や睡眠時間が不規則になります。休み明けも生体リズムが整わず、寝起きの悪さが不機嫌さ、登園・登校しぶり、わがままという負の連鎖へとつながっていきます。

 

・自分を認めてもらいたい時
自分は強いと示すために、また、他に向いている親の関心を独占したいがために、ごねたりすることがあります。友だちとのいさかいの後になぐさめてほしい場合にも、わがままになります。

 

・成長の節日の時
下のきょうだいが生まれ家族が増えた時や、入園やクラス替え、担任が変わった時など、環境の変化にがんばって順応しなければならない場合に、わがままやグズグズで心の避難所を求めたりします。

 

年齢別 子どものわがまま、グズグズの特徴を知ろう
ダダこねを通し、子どもは必要な力を身につけていきます。

 

子どものわがまま、グズグズは親にとってみれば悩みの種ですが、幼児期から自動機にかけての自己主張を通して、子どもは年齢にふさわしいふるまい方や、大人や仲間との関係を築いていきます。幼児期後記になると、ありのままに自己主張していたこれまでとは違い、自分の感情をコントロールしながら自己主張する仕方を学んでいきます。

 

・0~3歳...一直線のダダこね
自動販売機の前で「ジュース!」としゃがみ込んだり、歩いている途中で「だっこ」と道にひっくり返って泣いたり、できないのに「自分で」とやりたがったり。周りが見えず、自分の思いをがむしゃらに通そうとします。

 

・3~6歳...関係のダダこね
「こっちがいい」と言った後に「こっちはいやだ」と言うなど、ころころ意見が変わり親を翻弄します。親しい人に自分の感情をぶつけて相手の気持ちをつなぎ止め、心から甘えられる関係かを確かめているのです。

 

・6~9歳...回避のダダこね
苦手なこと、不得意なことを回避するために「今、しようとしていたのに」など屁理屈を言うようになります。また、「どうせボクの気持ちなんかわからない!」とひがんだり、恨みがましいことを言ったりします。

 

わがままを言う時の子どもの心理
子どもの心の声を、しっかりと受け止めましょう。

 

わがままは子どもの心のメッセージです。ダダこねという行動でしか表わせない気持ちがあるのです。「待っていてね」「なぐさめてね」「大好きって受け止めてね」「心配ないよ、ここは安心だよって抱きしめてね」「見ててね」「一緒にやってね」「手伝ってね」「すごいって認めてね」......。あなたは心のメッセージを、どのくらい受け止めることができているでしょうか。

 

・一直線ダダこねの場合...「してくれるよね!」
素直な感情です。泣いたり騒いだりして自分の思い通りになることを経験した子どもは、自分の要求を通すために最も効果的で確実な手段として「やって、やって」と自分の要求を訴えます。善悪の判断がないので要求はエスカレートします。

 

・関係のダダこねの場合...「僕のこと、好き?」
相手がどこまで自分の気持ちを受け入れてくれるのか、相手は自分にとって常に安全と安心を提供してくれる心の拠り所となるのかを試しています。愛情を確かめるための甘えと自立の狭間で、心が揺れ動いています。

 

・回避のダダこねの場合...「大丈夫かな......」「できるかな......」
子どもの心は不安でいっぱいです。てこでも動かない頑固さは凍りついた心の表われ、グズグズした屁理屈は失敗したらどうしようという弱気な気持ちの裏返しです。「気づいて」「僕のことわかって」というメッセージなのです。

 

わがまま、グズグズを受け止める時の3つの心得
子どもを傷つけず、上手に背中を押しましょう。

 

・子どもの負の感情に向き合う勇気を持つ
子どものわがままは、親に不快感、嫌悪感をもたらします。子どもを一方的に叱ったり、原因を問い詰めたり、逆にグズられたくないばっかりに安易に子どもの要求に応じたりして「自分は何でもできる」という間違った自己有能感を身につけさせてしまうと、後で仲間とのコミュニケーションで苦労することが多くなります。子どもの負の感情に寄り添い、「わかるよ。でもガマンしてね」と、"気持ちは受け止めるけれど要求は飲まない"の基本原則で、なぐさめながら励ましてください。

 

・甘えをいっぱい受け止めて、心を育てる
子どもが自己主張できるのは、安心感が持てる相手に対してのみ。母親に対してわがままが強く出るのは、自分がどんなことをしてもすべて受け止めてくれるという甘えがあるからです。甘えは親密な人との心理的つながりを確かなものにし、またそれを基礎に子どもは他の人との信頼関係を築けるようになるので、幼児期には十分に甘えさせることが大切です。甘やかすというのは、子どもが望む前に規が与えたり、無制限に要求に応えてしまったりすることです。甘えさせることと甘やかすことの違いをしっかり押さえておきましょう。

 

・その時々で、対応の仕方を変えていく
子育てには正解がありません。わがままやグズグズの受け止め方にも、王道はないのです。子どものわがままには、その時々で子どもなりの事情があり、その事情を汲み取ることができれば、わがままとみなしていたことへの見方が変わる場合もあるでしょう。子どもの状況が理解できたら、その事情を考慮した接し方をしてみてください。子どもの気持ちを受け入れて接するだけで、子どもの行動が変わり、子育ても楽しくなるはずです。

 

秦野悦子(はたの・えつこ)

白百合女子大学教授。 東京女子大学文理学部心理学科卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。専門は発達心理学。 著書に『子どもの気になる性格はお母さん次第でみるみる変わる』(PHP研究所)などがある

 


 

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「PHPのびのび子育て」は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌。2015年2月号の特集は<わがまま、グズグズに効く言葉がけ>です。

 

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