親子のスキンシップが、かしこい脳をつくる!
子どもとの触れ合いは、親子の愛情を深めるために大切なもの。でもそれだけではありません。子どもの自立を促し、頭のよい子にもしてくれるのです。
※本記事は、「PHPのびのび子育て」2020年8月号より、一部を抜粋編集したものです。
山口創(桜美林大学リベラルアーツ学群教授)
早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了。臨床発達心理士。専門は身体心理学・健康心理学。著書に、『幸せになる脳はだっこで育つ。 強いやさしい賢い子にするスキンシップの魔法』(廣済堂出版)など多数。
スキンシップが成長の土台をつくる
子どもの成長は、土台となる部分に「身体感覚の育ち」があり、その上に「感情・感覚の育ち」があり、頂点に「脳の育ち」がくるピラミッド形になっていると私は考えています。つまり、脳を育てるには、身体感覚や感情・感覚といった心の面を先にしっかりと育てていかなくてはなりません。
スキンシップは、肌と肌が触れ合うことで身体感覚を養い、「安心する」「気持ちがいい」などのよい感覚を与えることができます。お母さんとの十分なスキンシップがある子は、脳の育ちにつながっていくベースができやすい子とも言えるのです。
しょっちゅう抱っこやスキンシップをされている子は、親子関係が安定して、心も安定していきます。それによって、いろいろなことに挑戦していく気持ちがもてたり、人との関係を大切にしたりできるようになるのです。
でもなぜ、スキンシップにこうした効果があるのでしょうか? それを紐とくキーワードが、別名「きずなホルモン」とも呼ばれる脳内ホルモン「オキシトシン」です。触れ合うと、脳の中にオキシトシンがたくさん分泌されて、さまざまなよい相乗効果をもたらしてくれるのです。
また、皮膚と脳はつながっています。スキンシップで肌が刺激されると、その刺激が脳に伝わって脳を活性化することにもなります。
オキシトシン効果と脳への刺激効果。子どもが小さい頃からスキンシップが大切な理由が、おわかりいただけたのではないでしょうか。