頭のいい子、性格のいい子を育てるために、親ができることは何でしょうか。

 

子ども

 

かしこさと強さの土台をつくる! 家庭は子どもの心と能力を育てる基地です

 

無邪気に動き回る子どもを見ていると、気持ちが和みます。危なっかしくてハラハラさせられたり、言うことを聞かなくてイライラさせられたりすることがあっても、心の底では愛情深く見守っているはずです。

親の関わり方によって、子どもの性格や能力、将来が大きく左右されるなどと言われるため、どう関わったらよいか不安に思うお母さんもいるでしょう。でも、愛情があり、しっかりと気持ちを子どもに向けていれば、細かなことを気にする必要はありません。

幼い子どもにとって、一番重要な課題は、親との間に愛着の絆を形成することです。

いつも温かく見守ってくれている人がいることで、子どもは安心し、自信をもつことができます。そして、人を信頼し、人に対して温かい気持ちを向けることができるようになります。

 

・子どもと向き合う時間を大切に

 

最近気になるのは、親がスマートフォンに夢中になり、その横で幼児が手持ちぶさたにしている場面によく出くわすことです。お母さんが子どもと一緒にいても心ここにあらずというのでは、愛着の絆の形成が危ぶまれます。

子どもが幼いうちは、子どもとの相互作用を心がけ、話しかけたり応答したりといったやりとりを積極的にしていくことが大切です。

 

ほんとうの「頭のよさ」って?

 

自分なりに思考し、ものごとを様々な角度からとらえることができ、認知能力、非認知能力ともに高いことです。

「頭のよさ」というとき、多くの人が思い浮かべるのはⅠ Qに代表される認知能力でしょう。認知能力を高めるために大事なのは、「言語能力を高める」こと、そして「認知的複雑性を高める」ことです。

私たちは言葉で考えます。何かを考えるとき、頭の中を言葉が駆けめぐります。ここからわかるのは、言葉を豊かにもつことが考える力につながるということです。また、単純なものの見方しかできない子がいる一方で、ものごとを多面的にとらえられる子もいます。それは認知的複雑性の違いと言えます。認知的複雑性の低い子は、矛盾した情報を前にして混乱したり、考え方の違う相手に反発したりしがちですが、認知的複雑性の高い子は、総合的な判断ができ、考え方の違う相手のことも理解できます。

さらには、このような認知能力だけでなく、E Qと呼ばれる非認知能力も「頭のよさ」に関係します。それは、粘る力、欲求不満に耐える力、やる気を燃やす力、集中力、人の気持ちや立場に対する共感性、自分の感情をコントロールする力などです。これらの能力は、遊びに夢中になったり、友だちと関わったりする経験や、親子のやりとりを通して身についていきます。

 

「性格のいい子」って、どんな子?

 

思いやりや協調性をもちながら、自分のいい部分、個性を伸ばしていける子どものことです。

わが子には「性格のいい子」になってほしい、誰だってそう願うものです。ただし、「性格のいい子」にしたいというとき、2つの視点が必要です。1つは、誰もが身につけるべき「望ましい性格をもたせる」こと。もう1つは、それぞれの「個性をよい方向に伸ばす」ことです。

前者は、日本の場合は思いやりや協調性になります。これは文化差が大きく、アメリカでは自信や自己主張力になります。今の日本はアメリカ流を無批判に真似る風潮があるため、やたらと自分勝手な自己主張をする若者もいて、企業などが手を焼いています。社会でうまく生き抜けるようにするには、思いやりや協調性を身につけさせることが大切です。

後者は、子どもの短所にいらつかずに、個性がよい方向に伸びるように促すことです。たとえば、細かいという性格は、神経質というと短所になりますが、繊細でよく気がつくというと長所になります。優柔不断という短所も、思慮深いという長所と裏腹です。短所を責めるばかりでは子どもは萎縮してしまいます。子どもの短所の裏側にある長所に目を向け、そこをほめるような声がけをすることで、個性をよい方向に伸ばすことができます。

 

7歳までに大切にしたい習慣

 

頭がよく、周りの人とうまく協調しながら自分らしく生きていける子にするために、子どもに身につけさせたいことがあります。

 

(1)思いやりの心を植えつける

日常の何気ないやりとりの中で、相手の気持ちを想像させるように導きましょう。「○○ちゃん、嬉しいだろうね」「○○ちゃん、どんな気持ちかな?」といった具合に。絵本の登場人物を題材にするのもよいでしょう。「アリさん、必死になって食べ物を運んでるね」「ワンちゃん、何だか淋しそうだね」「このお花、陽が当たらなくてかわいそうだね。寒い、寒いって言ってるね」といった感じで、人間以外の生き物を題材にすることもできます。

 

(2)絵本に馴染ませ、言語能力を育てる

言葉は思考力の基盤になります。最近は、読書習慣のないままに育ったため言葉が乏しく、ものを考えるのが苦手な若者が増えています。絵本を一緒に楽しんだり、絵本の読み聞かせをしたりして、小さい頃から本に馴染ませることが大切です。絵本を読むだけでなく、絵本をめぐって親子でやりとりすることが、さらなる言葉の豊かさをもたらします。その意味では、お母さん自身が絵本を子どもと一緒に楽しむ気持ちが大事です。

 

(3)他者との関わりを十分に経験させる

引きこもりやニートなど、人とうまく関われない、コミュニケーションがとれない若者の増加が社会問題になっています。いくら豊かな知識をもち、学力を高めても、人とうまく関わることができないのでは、社会に出て活躍することはできません。

人と関わる力は、その基礎が幼児期に形成されます。近所の遊び集団がなくなった今日、友だちと関わる機会を親が意識してつくってあげる必要があります。友だちのきょうだいや親も含めて、いろいろな年代の相手と関わる経験をするという意味で、家族ぐるみのつきあいをしていくことも大切です。

 

(4)我慢する習慣をつけさせる

「ほめて育てる」という子育てが広まったために、ネガティブな状況に弱く、思い通りにならないとすぐに心が折れてしまう、逆境で粘り抜くことができずにすぐ諦めてしまう、注意されると反発する、そんな心の弱い若者が目立ちます。

そこで、このところ教育界で注目されているのがレジリエンス、つまり一時的に落ち込んでもすぐに立ち直ることができる力です。レジリエンスを高めるには、小さい頃から思い通りにならない状況に耐える習慣をつけさせるのが効果的です。我慢する習慣、欲求不満に耐える習慣は、将来大きな力になります。

 

【著者紹介】

榎本博明(MP人間科学研究所代表)

東京大学教育心理学科卒業。心理学博士。心理学を活かした教育講演やビジネス研修などを行なう。著書に、『「やさしさ」過剰社会』(PHP研究所)など多数。

 


 

のびのび子育て

「PHPのびのび子育て」は未来を担う子どもたちの健全な成長と幸せを願って、発刊している月刊誌。 2017年月10月号の特集は<「頭のいい子」「性格のいい子」は7歳までの習慣で決まる!>です。

 

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