勉強が好きになる近道は、子どもの知的な好奇心を育てること。そこで、大いに活用してほしいのが、図鑑です。

 

親子

 

親はみんな、わが子に「勉強が好きで、よくできる子」になってほしいと願っています。そのために大切なのは、生活の中で知識を増やし、知的な好奇心を育てることです。そこで、ぜひ活用してほしいのが図鑑です。

 

家中の至る所に図鑑を置きましょう。食べ物、生活、乗り物、昆虫、動物、魚、植物、アニメキャラクターなど、いろいろな図鑑を見ながら、子どもは言葉を覚え、知識を増やします。すると、知的な好奇心が育って、ますます知りたくなります。

 

それに、図鑑を見ながら親子で会話するのは、とても幸せな時間です。幸せを感じながら知的な活動をすることで、「知ることは楽しい」という認識が強化され、勉強が好きになります。

 

わが子に合った図鑑の選び方は?

 

図鑑を選ぶとき、まず大切なのは、子どものレベルに合わせることです。難しすぎるものを与えられて「つまらない」と感じると、子どもは図鑑が嫌いになってしまいます。

 

また、子どもが興味をもつものを優先することも大切です。乗り物が好きなら乗り物図鑑から始めます。親が読ませたいものより、子どもが読みたいものを選びましょう。それによって図鑑が好きになったら、他の分野にも広げます。幼児の場合、生活の中でよく接している食べ物や生活用品などから入るとよいでしょう。後述にもあるように、テーマ型図鑑なら誰でも楽しく読めます。

 

図鑑は大きくわけて2種類

 

・より深く知識を得られる「博物型図鑑」

たとえば、昆虫図鑑には多種多様な昆虫が博物的かつ羅列的に紹介されています。私はこういう図鑑を「博物型図鑑」と呼んでいます。同様に、植物図鑑には植物が、動物図鑑には動物が博物的に紹介されています。興味をもった分野について、より深く知識を得るのに効果的です。大迫力の動画が見られるDVD付録がついているものもあります。

 

・内容がおもしろく編集された「テーマ型図鑑」

『くらべる図鑑』(小学館)『なぜ? の図鑑』(学研)のように、特定のテーマをもとに編集された図鑑が「テーマ型図鑑」です。前者は世の中にある、あらゆるものをくらべています。後者は「なぜウサギの耳は長い?」など、多種多様な「なぜ?」を扱っています。もともと子どもが興味をもちそうなテーマが選んであるので、誰でも楽しく読めます。

 

図鑑をうまく活用するには?

 

【1】子どもが長くいる場所に出して置いておく

図鑑は置き場所が大事です。リビングやダイニングなど、子どもが多くの時間を過ごす空間に置きましょう。また、いちいち本棚などにしまわせると使わなくなりますので、うるさく言うのはNGです。寝るとき本棚に片づけても、朝になったら親が出しておくとか、子どもが園や学校から帰宅する前に出しておくなどしましょう。とにかく、すぐ手が届くところに置くようにすることが大事です。

 

【2】ことあるごとに親が率先して一緒に調べる

テレビでパンダを見たら動物図鑑で調べ、飛行機を見たら乗り物図鑑で調べます。庭でバラの花を見たら植物図鑑で調べ、パパが沖縄に出張したら地理図鑑で沖縄を調べましょう。このように、あらゆるきっかけを活かして図鑑で調べるようにしていると、知識がどんどん増え、知的な好奇心もぐんぐん育ちます。親が率先して行なっていると、子どもも真似してよく調べるようになります。

 

【3】調べたところに「足跡」をつけておく

図鑑で調べたら、見出しをマーカーで塗るとか、キーワードをボールペンで囲むなど、ちょっとした「足跡」を残しましょう。足跡を見る度に読んだ内容が瞬間的に思い出され、記憶の定着につながります。足跡がたまってくると、もっと増やしたくなるものです。続けているとあちこちに足跡がたまって、「マイ図鑑」という感じになります。「きれいに使わせる」より「使い倒す」ほうが子どもは伸びます。

 

親子で一緒に楽しむ方法は?

 

図鑑を使って、親子の楽しいコミュニケーションの時間を増やし、子どもの自信や集中力を育てましょう。

 

・「図鑑クイズ」をしてみよう!

親子で図鑑をもとにクイズを作って、出し合いましょう。たとえば、食べ物図鑑をもとに「キュウリは果物である。〇か×か?」などの〇×クイズを作ります。あるいは、動物図鑑をもとに「なぜウサギの耳は長いの?(ア)小さな音も聞きとるため、(イ)長いほうがかわいいから、(ウ)くるくる回して空を飛ぶため」などの三択クイズです。

親がクイズを出して、「答えは図鑑の中にあるよ」と言えば、子どもは一生懸命に図鑑を読みます。また、「この図鑑の中からクイズを作って、お父さんに答えてもらおう」と言えば、子どもはクイズを作るために図鑑を真剣に読むでしょう。

 

・「写し描き」をしてみよう!

図鑑の写真をトレーシングペーパーに描き写すのは、とても楽しい作業です。まず、気に入った写真の上にトレーシングペーパーをのせて、セロハンテープなどでとめます。次に、トレーシングペーパーの上からボールペンや4Bか6Bの鉛筆でなぞり、最後に色鉛筆やサインペンで色を塗ります。

かっこいい乗り物やかわいいネコなどの絵が簡単にできあがるので、子どもは喜ぶでしょう。自分で描いてもなかなかうまく描けませんが、なぞるという方法なら誰でもそれなりのものができます。描いた絵を厚紙に貼れば、オリジナルカードができあがります。

 


 

 

「PHPのびのび子育て」 4月号より

 

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2019年4月号特集【7歳までが勝負!「学力」が伸びる小さな習慣】より、一部を抜粋編集したものです。

 

【著者紹介】

 

親野智可等 (おやの・ちから)

教育評論家。23年間の小学校教師経験を活かした的確でわかりやすいアドバイスには定評がある。全国各地の小・中学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村での教育講演会も人気。著書に、『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』(PHP研究所)など多数。