子どもだって1人の人間です。親と違う気持ちや考えをもっていますから、短気だったり自己中心的に見えたりするのも当然と考えましょう。

 

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気負わないことから始めよう

子どもが言うことを聞いてくれないときは、「どうして友だちにおもちゃを貸してあげられないの!」「なぜ、さっさと片づけないの!」などとイライラが募りますよね。
親のほうは、さほど意識せずに「おもちゃは仲良く使う」「今、片づけて、次に○○をする」など、いろいろな自分の基準や時間管理、段取りを考えて、子どもに伝えています。でも、それはあくまでも親の考え方や基準です。子どもにも子どもなりの気持ちや考え方、時間の流れがあります。
「なんでも子どもの言うとおりにしよう」と言っているわけではありません。親とは違う気持ちをもっているということを認めることから始めましょう。
「おもちゃを使いたいんだね」「まだ片づけたくないんだね」と、子どもの気持ちを大事にすると、子どもの自己肯定感が育まれていきます。
大切なのは、子どもの気持ちを否定しないということです。親と子どもの希望が食い違っていると、イライラして、つい怒鳴りつけたくなることもありますが、子どもの気持ちは尊重し、次の行動をどうするかは、子どもと相談して折り合いをつけていきましょう。

イライラの手当てをしよう

親が自分を客観的に見つめることは、とても大事です。イライラするのはどんなときか、考えてみましょう。
「時間がないとき」「やることがいっぱいのとき」「疲れているとき」など、きっといろいろな場合が思い浮かぶと思います。可能なものは手当てをしましょう。
自分が疲れていたり、よく眠れていないなら、一時預かりやファミリーサポートを使ったり、パートナーに協力してもらって休息時間をとるなどの方法があります。
また、心の余白をもてるように、1日の時間配分や、やるべきことを軽減できないか(買い物なら、まとめ買いをしたり、ネットスーパーを使うなど)も見直してみましょう。

子どもの「いいところ」を見よう

誰でも、子どもの「できていないなあ」と思うところには、つい目がいってしまうものです。しかも、日本は謙遜の文化の国でもあり、子どもに限らず、相手をほめることが少ないように思います。
でも、「○○しちゃダメ!」「何度言ったらわかるの!」とたくさん叱るのではなく、逆に、いいところを見つけてほめていくと、いいところが増えていく。これは「肯定的注目」と言われるものです。
もちろん、してはいけないことは「やめなさい」と短くきっぱりと伝えることも大切ですが、助かったこと、よかったことは、「○○君がお皿を運んでくれて助かった」など、言葉にして伝えましょう。

どうしても困ったときは?

「○○に行くから靴を履きなさい」と言って「ヤダ!」と言われたりすると、イライラしますね。子どもにとっては「指示」だからイヤなのでしょう。
人間には選択欲求というものがあるので、うまく利用します。「○○に行くよ。どっちの靴を履く?」と選ばせると「赤い靴!」などと選んでしまうものです。選択肢にすると、子どもが主導権をもつことになるわけです。
また、先の見通しを伝えるのも有効です。「おもちゃを片づけなさい」と急に言われても、子どもは「もうちょっとで完成するところだったのに」という気持ちもあるでしょう。「時計の長い針がここを指したら、片づけようね」と事前に声をかけておくと心構えができるでしょう。

違いをおもしろがるために

子どもだけではなく、パートナーだって、自分とは違う人間です。だからこそ、それぞれが違った考えや、いろいろな気持ちをもっています。
そこを「そんな考えは理解できない!」などと頭ごなしに否定せずに、「へーえ、そんなふうに思うのか」「こんな反応をするんだ」と、自分との違いを楽しんだり、おもしろがったりしてみましょう。
そのためには、あらかじめ自分の気持ちに余裕をもたせておくことが大切です。自分自身がいつもいっぱいいっぱいでは、違いを受けとめたり、楽しんだりすることができません。
親自身が、「本当は働きたいけれど、子どものためだから」と仕事をあきらめたり、家事や子育てを自分1人で頑張ってしまったりして、自分の心に蓋をしてしまうと、ストレスがだんだん積み重なって、ついには爆発してしまいます。
夫婦で、そして家族でコミュニケーションをとりながら、お互いを応援し合える関係を作っていきましょう。
 


 

「PHPのびのび子育て」6月号より

 

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2020年6月号特集【乱暴な子、わがままな子にしない育て方】より、一部を抜粋編集したものです。

【著者紹介】
高祖常子(こうそときこ)
子育てアドバイザー。株式会社リクルートで学校・企業情報誌の編集にたずさわり、妊娠・出産を機にフリーとなる。育児情報誌『miku』編集長を14年務め、現在は育児誌を中心に編集・執筆を続けながら講演活動などを行なう。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事。3児の母。