【子育て体験談】劣等感がくれたもの
「自分は内向的で消極的」だと思っていたママは子どもも自分に似た正確になると思っていましたが…。
※本記事は『PHPのびのび子育て』(2015年2月号)に掲載され、WEBサイト「PHPファミリー」にて一部抜粋・編集の上で公開されたものです
子どもの成長におどろいた話
私は、小さなころから恥ずかしがり屋の引っ込み思案。慣れない人に写真を振られるのがイヤで、父の後ろに隠れたり、幼稚園ではみんなが遊んでいる輪に入れなかったり、思春期には自分から声をかけられず、学校から1人さびしく帰るなどの苦い思い出がある。
みんなと仲よくなりたいと思っているのに、なかなか自分が出せなかったり、うまく話せなかったりで、もっと積極的になれたらいいな、いろんな人と仲よくできたらいいな、と、いつも思っていた。
そんな私も、今は7歳と4歳のママ。娘たちもきっと私と同じように人見知りで、たいへんだろうなと思っていた。
ところが、2歳くらいまで私から離れず人見知りだった上の子が、突然、お友だちと遊ぶようになったのだ。新しいお友だちにも臆せず、幼稚園に入ると、すぐにみんなと仲よくなってクラス全員と遊ぶ子になった。
私の子なのに、すごい、と感心するとともに、毎日が楽しいだろうな、とうらやましくもあった。
そして、思いがけない効果もあった。娘のお友だちのママさんと、子どもがきっかけで自然と話す機会が増えたのだ。
最初は緊張したが、だんだん打ち解けることができて、毎日の幼稚園の送り迎えでママさんたちとおしゃべりし、昔はできなかった、いろいろな友だちと仲良くするという経験を取り戻すかのように、楽しい毎日をすごせるようになった。
下の娘はどうだろうかと心配したが、お姉ちゃんが幼稚園で楽しそうにしている姿を見ていたおかげか、内気なところはあるけれど、お友だちもたくさんできて、毎日元気に幼稚園に通っている。
2人の赤ちゃん時代は、毎夜の夜泣きに寝不足で、抱っこにおんぶ三昧の修行のような毎日でつらかった。
いつまで続くのだろうと途方に暮れていたが、そんな修行が実を結んだのだろうか、娘たちのおかげで私もずいぶん成長したと思う。
今思えば、小さなころから親によく怒られて、それがイヤだった私は、なるべく子どもたちを些細なことで怒らないように、そしていっぱい抱っこして、できるだけ笑顔で接しようと心がけてきた。それが娘たちに大きな安心感を与えたのかもしれない。
娘たちがグズグズしたり、わがままを言ったりした時、周りからはもっと叱るべきだと言われたこともあるが、ただ甘えたくてわがままを言っていると思った時は、なにも言わずに抱っこして、背中をトントン。すると、それ以上はわがままを言わなかったように思う。
子どもの気持ちを大切に、と心がけた子育てがこれまでできたのは、私が小さなころから感じていたモヤモヤした思いや劣等感もムダではなかったと思えるようになった。
子育て、自分育てはまだまだ続くが、2人を大切にする気持ちを忘れずに、これからもがんばりたいと思う。
頼りないママだけど、「大好き」と言ってくれる2人。私がクヨクヨしているそばで、いつも笑っでいる2人。
それに、忘れてはいけない。いつもお仕事をがんばってくれているパパ。
ありがとう。これからもよろしくね。
(二宮英理子、大阪市)