【子育て体験談】元気な赤ちゃんを産んでね

読者からの体験談

2人の息子さんは甘えたい盛り。3人目を妊娠中の住田さんは、ついイライラして怒ることが多くなります。でも、出産が近づいたころ、長男の変化に気づかされます。

※本記事は『PHPのびのび子育て』(2016年11月号)に掲載され、WEBサイト「PHPファミリー」にて一部抜粋・編集の上で公開されたものです

4歳の長男の一言に涙…

わが家は2歳と4歳になった息子と夫と私の4人家族です。そんな中、3人目を妊娠し、つわりもあってイライラしているのに、子どもたちのケンカが絶えず、怒ってばかりの日々が続いていました。

働いているので息子たちとかかわる時間も少ないため、家にいるときは笑顔で楽しく過ごしたいと思っていても、目の前のことが気になって、すぐに怒ったり、注意したり……。仕事の休憩中や子どもたちが寝た後に、「今日も怒ってしまったな」と反省ばかりしていました。

そんな日々でしたが、私のお腹はどんどん大きくなり、2人が興味をもつようになりました。「赤ちゃんがいるのよ」と言うと、長男はうれしそうにお腹をさわったり、おへそのあたりに口を近づけて、「赤ちゃん、聞こえますか~」と話しかけるようになり、次男も「ポンポコリーン」と言って、お腹をさわってきました。

しかし、朝起きると2人の甘えが始まります。「ママ、抱っこ」「ご飯食べさせて!」と言ったり、長男は「保育園に行きたくない」とダダをこね、次男は一生懸命手伝おうとしてくれるパパを押しのけて「ママがいい!」と、私にくっついてきます。私の左右の足の上に1人ずつチョコンと座ってご飯を食べたり、パパがお風呂に入れようとすると、「ママと入る!」。朝早く起きて家事をしていると、長男が起きてきて、「なんで、先に起きるんだよ! 隣で一緒に寝ててよ」。

こんなドタバタな日々でしたが、子どもたちはやはり赤ちゃんの話や、私のまん丸なお腹に関心があるようで、保育園にお迎えに行ったとき、ほかの園児が大きなお腹を見て「何が入っているの?」と集まってくると、長男はうれしそうに「ママのお腹には赤ちゃんがいるんだよ」と説明したり、後で聞いたのですが、自分のリュックが荷物でいっぱいになったときに、園の先生に「パンパンでママのお腹と一緒だ」と話していたそうで、子どもの表現力の豊かさに驚かされるとともに、とてもうれしく思いました。

ただ、出産は里帰りする予定ですが、私の両親が働いていることもあって、息子たちはしばらくパパと過ごすことになっています。妊娠8カ月、9カ月となるにつれ、不安のほうが大きくなっていきました。

動きが鈍くなって、思うように抱っこをしてあげられなかったり、日々の甘えとわがままに相変わらず強く当たってしまったりと、まだ小さくて、私に甘えたい2人に、無理を言うことが多かったな、と反省することも多くなりました。

そして、いよいよ里帰りする日。朝ごはんと着替えをすませ、パパと保育園にでかける前に、玄関で「今日からしばらくママは家にいないからね」と言うと、長男は私のまん丸なお腹をさわりながら、「元気な赤ちゃんを産んでね」とニコッとすると、そのままパパと次男がいるほうへ走っていきました。

私の目から涙があふれ、しばらく茫然としてしまいました。泣いたり、離れなくなったりするかと思っていたので、予想外の長男の反応に驚くと同時に、里帰り出産中の不安を軽減してもらうことになったのです。私が思う以上に、息子は状況を理解していました。子どもの成長を感じた瞬間でした。

(住田麻由子、三重県)