小籔千豊が人知れず抱えた苦悩「売れない芸人の自分が親になっていいのか」

PHPオンライン衆知編集部
2023.10.06 14:21 2023.02.01 17:22

小籔千豊が人知れず抱えた苦悩「売れない芸人の自分が親になっていいのか」の画像1

小籔千豊さんの初めての著書『ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由』が2022年11月に辰巳出版から発売された。

この書籍は、ゲーム反対派をうたう親だった小籔さんが『フォートナイト』というオンラインゲームと出会い、このゲームにハマったことで得られた新しい経験、そして親子関係の変化が書かれています。

都内にて行われた出版記念イベントにて、本の出版のいきさつや、小籔さんの子育てについて話してくれました。

生まれた娘を見て、2トンのプレッシャーを感じた

結婚したら、子どもが早くほしかったという小籔さん。しかし同時に、気がかりもあったという。

「僕は父親になれるのか。こんな売れてない芸人が、家族を持っていいんだろうか。まして、僕が子どもを持ったら、必然的に芸人の子どもになってしまう。芸人の子どもって、一般的に幸せになりにくいんじゃないかと危惧していたので」

芸人という職業、そして経済状況といった不安を抱えながらも、第1子を授かった小籔さん。帝王切開で誕生した娘さんを見た時にも、喜びよりもプレッシャーが大きかったと、当時の心境を明かす。

「生まれたばかりの赤ちゃんが、ステンレスの机に乗せられてるのを見た時は、肩に2トンぐらいの重しがガンと乗るぐらい。欲しかった娘が生まれた時に、少なくとも20年間は金を稼ぎ続けなあかんというプレッシャーで、違う意味で泣きそうになりました」

親としての責任に強い重圧を感じていた小籔さんだが、今となっては、子どもを持ったことをポジティブに捉えることが出来ているという。

「僕は、完璧な人間だけが子どもを産んできた訳じゃないと思うし、人並みに愛情をもって育てていけたらいいと考えました。いま、子どもに言い聞かせるのは、自分が母親に言われていたことぐらい。行儀よくしろとか、マンションですれ違った人に挨拶しろとか」

フォートナイトが親子関係を変えてくれた

これまで何度も本執筆の依頼はあったそうだが、全て断ってきたという小籔さん。フォートナイトについての本なら、と初めて本の出版に挑戦することを決めたという。

「本を出したいというよりもフォートナイトのことを伝えたい。ゲームを反対する親の気持ちも、ゲームをやりたい子どもの気持ちもわかる…。だからこの一冊を通してその橋渡しができたら嬉しい」

元は子どもに対して”ゲーム反対派”だった小籔さんだが、フォートナイトとの出会いが自身、そして息子さんとの関係に大きな変化をもたらしたことがうかがえる。

小籔さんがゲームを反対していた理由は「教育に良くないと思ったから」と、親として誰しも一度は感じる”不安”と同じだ。

それが、フォートナイトをやるようになって、息子さんに対して親の一方方向のコミュニケーションから、学校で友達と話すような感覚へと変化したと表情をほころばせた。

【著者紹介】小籔千豊(こやぶ・かずとよ)
吉本興業所属のお笑い芸人。1973年生まれ。吉本新喜劇の座長を15年以上にわたり務める傍ら、俳優やバンド活動など多方面で活躍する。フォートナイトというオンラインゲームにハマり、「フォートナイト下手くそおじさん」としてゲームYouTuber活動も始めた。「姫」はYouTube配信中の小籔さんの愛称として知られている。

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ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由(辰巳出版)
お笑い芸人の小籔千豊さんは、息子からのススメでオンラインゲーム『フォートナイト』を始めます。子どもに引き込まれ飛び込んだゲームを通じて、小籔家には「嬉しい変化」が起こったといいます。

小籔千豊

小籔千豊

吉本興業所属のお笑い芸人。1973年生まれ。吉本新喜劇の座長を15年以上にわたり務める傍ら、俳優やバンド活動など多方面で活躍する。フォートナイトというオンラインゲームにハマり、「フォートナイト下手くそおじさん」としてゲームYouTuber活動も始めた。「姫」はYouTube配信中の小籔さんの愛称として知られている。