「聞く力」はどうして必要?~「話を聞ける子」は伸びる!

榎本博明
2023.10.06 14:23 2023.02.01 17:41

子どもの「聞く力」を奪う親のNG行動 

あなたは、子どものよきお手本となっていますか?

幼い子どもにとって、モデルとなるのは親の態度や行動です。子どもは、最も身近な親の真似をすることで、さまざまな性質を身につけていきます。

そこで意識したいのは、親自身が「聞く力」を発揮するモデルとなっているかどうかです。親が、自分の言いたいことばかり言って、子どもの話をちゃんと聞かないようでは、子どもの「聞く力」も培われません。ですから、子どもの話にじっくり耳を傾けるように心がけましょう。

人の話を興味深く聞く様子を子どもに見せる

子どもの話を聞くだけでなく、他人の話にじっくり耳を傾ける姿勢を子どもに見せるのも効果的です。そのためには、親自身が人の気持ちに関心を向けることが大切です。自分のことで精一杯で、他人には興味がないという感じだと、子どもも人の話を聞かない子になってしまうでしょう。

子どもの「聞く力」を伸ばすために大切なこと

パパとママと男の子
(※画像はイメージです)

普段の生活の中で、次のことを心がけてみましょう。

(1)読み聞かせで楽しく伸ばす

聞くことの楽しさを味わい、「もっと聞きたい」と思うことが「聞く力」を伸ばすことにつながります。そこで、何でもよいので面白そうな本を読み聞かせてあげることが大切です。

(2)親がよきモデルとなる

前項で解説しましたが、親が「聞く力」を発揮するモデルとなることです。

(3)子どものストレスを解消する

ストレスを溜め込むと、気持ちに余裕がなくなり、人の話を聞けなくなってしまいます。人の話が聞ける心理状態にもっていくためにも、子どもの話にじっくり耳を傾け、ストレスを発散させてあげましょう。

(4)想像力を刺激する問いかけをする

「聞く力」は、相手の気持ちや言いたいことを想像する力と密接に関係しています。ですから、「〇〇ちゃんは、どう思ったかな?」など、相手の気持ちや言いたいことに目を向けさせ、想像させるような問いかけをするように心がけましょう。

榎本博明

榎本博明

1955年生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。主な著書に、『伸びる子どもは○○がすごい』『勉強できる子は○○がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『教育現場は困ってる』(平凡社新書)、『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「さみしさ」の力』(以上、ちくまプリマ―新書)『「やさしさ」過剰社会』(PHP新書)などがある。