春は子どもの気持ちが乱れやすい!~心を安定させるヒント

榎本博明
2023.10.06 15:20 2023.02.01 18:32

すぐ「泣く子」「怒る子」にしないための心得

ママと子

子どもは思っている以上に、親の影響を受けるもの。あなたの姿勢、心の状態を一度よく見つめて、3つのことを心がけましょう。

どっしり構える

親の不安は、子ともに伝染します。親がちょっとしたことに動揺したり、感情的になったりすると、子どもは不安になり、泣いたり怒ったりしやすい子になっていきます。嫌なことがあって親に話した時、それは大変だと親が動揺したら、子どもはますます不安になります。

悲しいことや腹が立ったことを子どもか話してきたら、「それは悲しいね」「それは腹立つよね」と共感しつつも、「たいしたことじゃない、気を取り直していこう」といった雰囲気を醸し出すことが大切です。あなたのどっしりした安定感が子どもの支えになるのです。

わが子を信じる

心理学で「ピグマリオン効果」というものがありますが、これは、人は相手(周り)が期待するような人間になっていく、というものです。誰でも人からどう思われているかには敏感です。ちゃんとやる子だと思われていると、いい加減なことはしにくくなります。どうせいい加減なヤツだと思われていると、適当に手を抜いてやろうという気持ちになります。

子どもは特に、大きな存在である親からどう思われているかに敏感です。あなたが心配しすぎると、それに応えて心配をかける子になっていきます。あなたが信頼していると、それに応えてしっかりした子になっていくのです。

親自身のストレスを解消する

人はストレスを溜め込んでいると、ちょっとしたことでイライラして怒ったり、すぐに気持ちが沈んで泣きたくなったりします。ストレスは感情反応を生みやすいのです。親が感情的な反応を示せば、子どももすぐに怒ったり泣いたりと、感情反応を示しやすくなります。

子どもの気持ちを安定させるには、あなたの気持ちが安定していることが不可欠です。そのためには、自分に合ったストレス解消法を身につけておくことです。趣味の時間をもつ、適度な運動をする、カラオケで思い切り歌う、気心の知れた友だちとお喋りをするなど、あなたなりのストレス発散を心がけましょう。

榎本博明

榎本博明

1955年生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。主な著書に、『伸びる子どもは○○がすごい』『勉強できる子は○○がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『教育現場は困ってる』(平凡社新書)、『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「さみしさ」の力』(以上、ちくまプリマ―新書)『「やさしさ」過剰社会』(PHP新書)などがある。