親が教える! 子どもが「英語好き」になる3つのお話

関正生(「スタディサプリ」人気No.1英語講師)
2023.10.11 11:13 2023.02.01 19:17

なんでgoを過去形にするとwentになるの?

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さて、中学校1年生がつまずく部分のひとつに、動詞の過去形の不規則変化があります。

goが過去形になるとwentになったり、buyがboughtになったりする、あれです。大人でもなぜこうなるのかよく分かっていない人も多いのではないでしょうか。

一方で、play→playedや、look→lookedなど-edをつけるだけの「規則変化」の動詞もあります。すべての動詞がこのパターンだったらいいのに……と思ってしまうほど「不規則変化」を覚えるのは多くの子にとって苦痛だと思いますが、これは算数でいう九九のようなもので、覚えないことにはどうしようもありません。

学校ではただ「覚えなさい」としか言われないでしょうから、そこに少しでも何かしら保護者のみなさんが話をしてあげるのは大変有益だと思います。そのうちのいくつかをここで紹介します。

今から4千年ほど前、英語の祖先とされる言語では、過去形はすべて「不規則」だったようです。その約2千年後くらい(ちょうど西暦0年ごろ)に「規則動詞」が出始めました。

時間と共に規則動詞はたくさん生まれていきます。しかし、普段からよく使う動詞ほど不規則変化のまま残りました。
毎日よく使われるだけに、規則変化に変えるスキがなかったのでしょう。今までみんなでさんざんwentを使ってきたのに、「明日からgoedを使いましょう」と言われても、そんな柔軟には対応できませんよね。

小中学生にとっては、毎日のように不規則変化の動詞が出てくるように感じるでしょうが、それは中学レベルまでです。高校レベルの難しい単語は99%規則的(-edをつけるだけ)です。

一生不規則動詞が出てくるのではないかという先の見えない不安な状態は、勉強のモチベーションを下げてしまいますが、ゴールが見えればそれを防ぐことができます。

不規則動詞の変化表はどんな参考書にも載っているので、それをお子さんに見せて「これで一生困らない」と言ってあげてください。信じられないかもしれませんが、この程度のことすら言われたことがないという人がほとんどなのです。

ちなみに、goの過去形をgoedとするミスは、ネイティブスピーカーでも子どものときにしてしまうミスです。ですから通じることは通じるのですが、もちろん試験ではバツですし、かなり幼稚な印象を与えてしまいます。

小中学生なら許容範囲ですが、将来は許されないので、まさに九九のごとく体に叩き込んでおきましょう。

進行形にできる動詞とできない動詞はこうして覚える!

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では最後に「進行形」にまつわる知識をご紹介しましょう。

動詞には「進行形にできる動詞」と「進行形にできない動詞」があります。たとえば「知っている」という日本語につられて、I am knowing her.なんて書くと、「knowは進行形にできない動詞だからI know her.にしないといけない」と習います。

さらに発展して、「haveは『持つ』という意味であれば進行形にできないが、『食べる』という意味なら進行形にできる」ということも中学レベルで出てきます。

このように、「進行形(be+-ing)にできる動詞」と「できない動詞」の区別は大変重要で、試験でも狙われます。

進行形にできない動詞の例としては次の単語が挙げられます。

live「住んでいる」 belong to~「~に所属している」
have「持っている」 like「好む」 know「知っている」

これだけなら丸暗記で対応できても、高校レベルになると覚えないといけないことが爆発的に増えて、英語ができなくなる原因にあります。

そこでこれに関しては、最初の段階から暗記に頼らず、核心となるルールを押さえることをお勧めします。実は以下のルールですべて解決するのです。

【5秒ごとに中断・再開できない→進行形にできない!】

たとえばknowやlikeは5秒ごとに中断・再開することはできません。5秒ごとに「記憶を消したり戻したり」、「好きになったり嫌いになったり」を意図的にできる人はいませんね。だから、knowやlikeは進行形にできないと判断します。

一方、read・study・runなどは5秒ごとの中断・再開は簡単ですから、進行形にできるのです。私のオリジナルルールなので、5秒でなくてもいいですよ!

さらに、2つの顔を持つhaveもこのルールで解決します。「食べる」という意味であれば、5秒ごとに中断・再開できるので進行形にできますね。

ところが「持っている」という意味であれば、5秒ごとに中断・再開できません。たとえば「兄弟が2人いる(持っている)」という文で中断・再開ができるわけがありませんよね。

この考え方で、将来の負担がかなり軽くなります。また、秒数を考えたり、「じゃあこの動詞は?」とクイズにしてみるのは意外と小中学生にウケがいいですよ。

 

以上のように、「丸暗記」ではなく英語の「本質」を知ることで、英語を覚える負担がかなり減ったり、英語に興味を持つきっかけになります。

丸暗記に逃げず、理屈を考え、納得しながら、視野を広げる」姿勢で小中学生のころから英語に取り組んでいれば、大学入試で燃え尽きることなどない、本物の英語力を身につけることができます。

教科書には書かれていないこういった知識は、保護者の方がぜひお子さんたちに教えてあげてくださいね。

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関正生

関正生

1975年7月3日 東京生まれ。埼玉県立浦和高校、慶応義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。TOEICテスト990点満点取得。現在、リクルート運営のオンライン予備校「スタディサプリ」、TOEIC対策「スタディサプリEnglish」にて英語の授業を担当。予備校デビュー1年目から出講校舎すべてで、常に最多の受講者数・最速の締め切り講座数を記録。
著書に145万部突破の『世界一わかりやすい授業』など多数。