麹町中学校長の危惧「叱るほどに、子どもが感情をコントロールできなくなっていく」
2023.10.11 11:43
2023.02.02 19:26
叱るのではなく安心感を与える言葉がけを
日本では、子どもが何かをできなくて叱るときに「頑張ればできる」というような精神論をついつい口にしてしまいがちです。
「頑張ればできるんだから、あなたもやりなさい!」といった言葉です。
しかし、脳神経科学によると、人は「心的に安全な状態」でないと、自分の脳内の思考・注意や、感情のコントロールなどがうまくできなくなるそうです。
ですから、叱責すればするほど悪循環におちいるだけで、いい結果をもたらすことは稀なのです。
子どもに成長してほしいと願うのであれば、叱ったり、精神論を説いたりするのではなく、
「そもそもうまくできないのが当たり前なんだよ。でも、もしそれであなた自身が困っているなら、工夫をして変えていかないといけないよね。どうすればいいと思う?」
というような、安心感を与える言葉がけが必要です。
また、うまくいかないことや失敗を叱られ続けた子どもの多くは、挑戦をしなくなっていくこともわかっています。
子どもが新しいこと、今までの自分がやってこなかったことに挑戦していこうとする力は、「失敗しても大丈夫」という安心な環境があってこそ大きく成長するのです。
人はそれぞれ違います。同じ屋根の下で育った兄弟でも、まったく性格が違うというのはよくあることです。
親は子どもを人と比べないで、その子のありのままを受け入れる努力をし、どう支えていくかを考えたいものです。
麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること(かんき出版)
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