その叱り方、子どもに伝わってますか?

波多野ミキ

お母さんにありがちな6つの叱り方NG

こんな叱り方をしているお母さんはいませんか?今日からその叱り方を考え直してみましょう!

(1)子どもの人格を否定する

「ダメな子」「イヤな子ね」というような、人格を傷つけるような叱り方はよくありません。人格を否定されるようなことを言われ続けていると、子どもの心はネガティブになり、「自分はダメな子なんだ」と思うようになってしまいます。

たとえば、「そんなことする子はお母さん、嫌いよ」ではなく、「そういうことは、お母さんは嫌いだからしないでね」というように、その子の行為で間違った点を、正確に伝えるようにします。

(2)すぐに叱らないで後回しにする

子どもは時間の感覚が、はっきりしないところがあります。お母さんに「この前、どうして○○したの?」「昨日もそうだったよね」と言われても、子どもは「この前?」「昨日?」と思い出せないのです。

過ちはその場で正すのが基本です。たとえば子どもがレストランで騒いだら、ほかのお客さんがいるからと後回しにせず、すぐに「迷惑になるから騒いではいけません」と叱るようにします。

その場でけじめをつけることで、何が悪かったのかが子どもにも伝わり、忘れないで覚えていられるのです。

(3)人のせいにして叱る

「騒ぐと先生に叱られるよ」「ちゃんと食べないとお父さんに叱られるからね」など、他人の存在を強調して叱るのはやめましょう。

叱るときは、その場にいた人が、自分で判断し、自分の権威と責任で叱ることが重要です。そうでなければ子どもに伝わりません。

最近、スマートフォンのしつけサポートアプリが話題です。鬼から電話がかかってきて、子どもに「早く寝なさい」などと言い、子どもは鬼が怖くて言うことをきく、というもの。

人気があるようですが、子どもを怖がらせて言うことをきかせるよりも、お母さんの言葉で叱るほうが、子どもの心にしっかり残るでしょう。

(4)他者と比べて叱る

「お兄ちゃんはできたのに、どうしてあなたはできないの」「○○ちゃんは上手なのに、それに比べてあなたは……」と、きょうだいや友だちなどの他者と比較して叱ると、子どもは劣等感にさいなまれ、自分に対してマイナスイメージをもつだけです。

いつも他者と比較されるということは、「あなたはほかの子と比べて劣っているのよ」と言われ続けているようなものだからです。

次第に、「どうせがんばってもダメなんだ」と、努力しなくなってしまいます。

子どもにもプライドがあります。傷つけないように叱ることを心がけてみましょう。わが子を傷つけたいお母さんはいないのですから。

(5)失敗や結果の不出来を叱る

いつもやっているお手伝い、たとえばお皿を運んでいて割ってしまったとき、「もう、何やってるの」「もうしなくていいから」という言葉を口にしていませんか。

新しいことや難しいことに挑戦して失敗したときも、うまくいかなかったことを叱りがちです。そんなときは、むしろ「挑戦してえらかったね」「最後までよくがんばったね」と、意欲や過程をほめるようにします。

失敗は決して悪いことではなく、たくさん失敗したほうが、経験を積むことができます。失敗を生かして、次につなげられるからです。

お皿を割ってしまっても、たとえば「よそ見してたから」と自ら気づくほうがとても価値があることなのです。

大切なのは、どうしたらうまくいくかを子ども自身に考えさせること。親も一緒に考えたり、ヒントを出してみるのもいいでしょう。

(6)叱り方に一貫性がない

同じことをしても、親の気分次第で叱られたり叱られなかったりすると、一貫性がないため、子どもは混乱してしまいます。

また、同じことをしたときに、お母さんは叱るけれど、お父さんは叱らないというのも、子どもが混乱する原因になります。

できれば、身近に関わる祖父母なども交えて、(1)人に迷惑をかけたり、危害を加えたとき、(2)相手の心を傷つけたとき、(3)やるべきことをやっていないときは叱るなど、「叱る基準」を決めておくことをおすすめします。