子どもの将来を左右する「能力」は親の言葉で伸びる

榎本博明

例「そんなに落ち込むことないよ。つぎに同じ失敗をしないように気をつければいいんだよ」
例「失敗は成功の母っていう言葉、知ってる? 失敗することで成長できるんだよ」

共感性が乏しく、無神経なことをいったり、思いやりのある行動がとれなかったりする子もいます。そこで大事なのは、親が共感性を発揮し、思いやりのある言葉を発したり、思いやりのある行動をとったりするモデルになること。そして、共感性を刺激し、思いやりの心を促すような「言葉がけ」をすることです。

例「あなたがそんなふうにいわれたら、どんな気持ちになる?」
例「そんなときは『大丈夫?』っていってもらえると、誰でも嬉しいよね」

周囲の友達に適度に合わせて協調的な行動をとれる子もいれば、周囲に合わせることができずに、わがままを貫こうとする子もいます。そこで大事なのは、親がわがままな言動を控え、協調的に振る舞うモデルになること。そして、わがままを抑え、協調的な行動を促すような「言葉がけ」をすることです。

例「わがままなことをいう子がいると、みんな困っちゃうよね」
例「自分勝手な子とは、あまり遊びたくないよね」

じっくり落ち着いて考えずに衝動的に行動する子もいます。そこで大事なのは、親がじっくり落ち着いて考えてから行動するモデルになること。そして、じっくり落ち着いて考えてから行動するように促すような「言葉がけ」をすることです。

例「よーく考えてみようね」
例「ほんとにこれでいいかな? って、じっくり考えてから決めたほうが、後悔しないですむよ」

このように、日頃の親の姿勢や何げない言葉が、子どもの非認知能力の基礎になることを肝に銘じておきましょう。

子どもが伸びる 親のことば 《非認知能力》と《認知能力》を高める秘訣(河出書房新社)
子どもの非認知能力を育むために、親はどんな「言葉がけ」をするべき? 豊かで幸せな人生へと導く子育てアドバイス!