ゲームをやめない~Q&Aでわかる「子どもの甘えさせかた」

東ちひろ

子どもは、お母さんに十分甘えられると心がぐっと安定します。しかし、そうでない場合、子どもはまだ物を欲しがったり、わがままを言ったりと、気になる行動をしてしまいます。そんな場面をどのように切り抜けるかを、『子どもが甘えていいとき・悪いとき』からの転載でご紹介します。

※本稿は、東ちひろ著『子どもが「甘えていいとき・悪いとき」』(PHP研究所)の中から、一部を抜粋・編集したものです。

東ちひろ(ひがし・ちひろ/一般社団法人子育て心理学協会 代表理事)
幼稚園・小学校教員、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、「東ちひろマザーズセラピー」を主宰。その後「子育て心理学協会」を立ち上げ、代表理事を務める。社会人(女)・社会人(男)の二児の母。教育に携わって30年、今まで相談を受けた子ども・保護者・学校の先生の数は、2万件以上、改善率93%、学校復帰率75%。著書多数。
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ゲームの時間を守らない

Q.わが家では、ゲームの時間を30分と決めています。しかし子どもはその時間を守らずにいつまでもゲームをするので、宿題を始める時間がどんどん遅くなってしまいます。

約束を守ることは大切なのだと、わかってほしいです。甘やかしになるので、時間になったら取り上げたほうがいいでしょうか。(8歳男の子の母)

A.子どもは、簡単にゲームのとりこになります。ゲームは、面白くてやめられなくなるように開発されていますから、当然といえば当然。甘やかしにつながる問題は、時間どおりにやめられないということです。

このお家ではゲームは1日30分と決めているので、子どもは30分が過ぎた段階で、はじめて「そろそろやめなくてはいけない」と感じます。しかし、ゲームにはきりのいいところというものがありますから、時間ピッタリに終了させるのではなく、制限時間が過ぎたあと、きりがつくところで終わろうと思っています。

ちなみに、制限時間の30分より早めにきりがついたからといって、そこで終わっておこうとは思いません。そのため、30分の約束があっという間に40分や45分になってしまいます。

だから、はじめからプラス10分から15分はオーバーするかもしれないと思っておくほうがいいでしょう。さすがに1時間を過ぎると、約束時間の2倍ですから、それは注意します。長くても20分、合計50分が限度だと思うくらいがいいでしょう。

そして、開始時間から25分過ぎたあたりから「そろそろ30分がくるからね」と声をかけ、「30分が来たよ」「もう30分を過ぎているよ」と、決して怒らず、気づかせるようにします。それでも終わらないときには、「目が悪くなるよ」と体を気遣った言葉をかけてみましょう。

大人は、「制限時間を守れないならゲームなんて取り上げよう」と考えます。でも私は、取り上げるよりもまず、上手にゲームと付き合う練習を今のうちにすることが大切だと考えます。

ゲーム機はこれからもなくならないでしょう。携帯電話をもつようになれば、携帯電話を使ってゲームをすることも可能です。ゲームは本当に面白いものなので、何度も何度もやりすぎる経験をしながら、だんだんと使い方が身につくようにしていきましょう。

ぐずぐず・ダラダラが減る! 子どもが「甘えていいとき・悪いとき」(PHP研究所)
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