わが子を「かわいい子」に育てるには?
多くの人から好かれる「かわいい子」に育てるための秘訣、それは、「無条件にかわいがること」です。その具体的な方法をご紹介します。
※本稿は、須賀義一著『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)の中から、一部を抜粋・編集したものです。
須賀義一(すが・よしかず/子育てアドバイザー)
1974年生まれ。東京都江戸川区の下町に生まれ、現在は墨田区に在住。大学で哲学を専攻するも人間に関わる仕事を目指して、卒業後国家試験にて保育士資格を取得。その後、都内の公立保育園にて10年間勤務。子どもの誕生を機に退職し、子育てアドバイザーとして、子育てについての研究を重ね、執筆、講演活動、ワークショップを展開。従来の子育てを見直し、個々の子どもを尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。家族は妻と一男一女がいる。
身体を使う
子どもは大人からスキンシップをしてもらうことで、安心できます。安心すると心が安定してきます。その安定が当たり前のことになれば、グズったりゴネたりと、大人が子育てのなかで大変さを感じる場面は最初から少なくなります。
そうすれば大人のほうも心に余裕が持てるので、よりあたたかく接することができ、好循環になります。
子どもは自分からも大人に相手をしてもらいに来たり、抱っこしてもらおうとしますが、どうせなら大人のほうから進んでしてあげると、より一層子どもに安心感を与えることができます。
どんなときでもしてあげていいのですが、する場面を習慣づけておくといいでしょう。
例えば、お昼寝や夜の寝る前に、毎日「おやすみ」と抱きしめてあげたり、「大好きだよ」とおでこにキスしてあげたり。ごはんを食べた後に、「おなかいっぱいだね」とおなかをなでてあげたり。保育園にお迎えに行ったら「会いたかったよ」と抱きしめてあげたり。
このようなことを習慣にしていると、子どもはその場面を「いいもの」と考えるようになります。すると、その場面へのモチベーションがとても高く維持されていきます。
「寝たくない」「眠くない」とゴネることもなくなったり、減ったりすることでしょう。苦手な食べ物があったとしても、食事に対する高いモチベーションがだんだんとその苦手を乗り越えられるようにしてくれます。
「食べなさい、食べなさい」と大人が「できること」を頑張らせなくても、子どもは自分の力で育っていけるのです。
とは言いましたが、「嫌いなものを克服できるように」と思ってしてはよくありません。そういう作為的な意図をもってする関わりは、あまりいいものにならないからです。
なんの意図もなく、ただかわいがるためにやってみてください。「できること」は、やらせるのではなく、あとから自然についてくるものなのです。